全日本大学駅伝23大会連続出場の立命館大 チームに流れを持ってきた茶木涼介の力走
第55回全日本大学駅伝対校選手権大会 関西地区選考会
6月11日@ヤンマーフィールド長居(大阪)
1位 大阪経済大学 4時間04分22秒65
2位 立命館大学 4時間05分00秒21
3位 関西大学 4時間05分41秒63
4位 関西学院大学 4時間06分29秒52
----------ここまで本戦出場------------
5位 京都産業大学 4時間07分45秒79
6位 びわこ学院大学 4時間11分25秒91
7位 同志社大学 4時間15分22秒51
8位 京都大学 4時間19分38秒32
9位 龍谷大学 4時間21分27秒28
10位 大阪大学 4時間25分10秒14
11位 神戸大学 4時間26分42秒45
佛教大学 規定の8人に満たず選考外
6月11日にヤンマーフィールド長居(大阪)であった第55回全日本大学駅伝関西地区選考会で、立命館大学が2位に入り、23大会連続35回目の本戦出場を決めた。1年生2人で臨んだ1組目は苦しんだものの、2組目を走った茶木涼介(2年、立命館守山)が組トップでゴール。より強力な選手が控える3、4組目に向けて、大きな流れを持ってきた。
「自分が1位を」フィニッシュ後、雄たけび
1組目は橋本和希(1年、神戸商業)、藪田虎志朗(1年、豊川)のフレッシュな選手たちで臨んだ。だが橋本は組10着、藪田は13着。出場4枠を争う中で、ライバルの関西学院大学や大阪経済大学、関西大学、京都産業大学に差をつけられてしまった。
2組目の茶木は「1着を取ることはもともと考えていました」。スタートから1kmのペースは3分05秒前後で進み、3~4番手につけていた茶木は「遅い」と感じていた。「最初はそのペースでついていこうかなと思ったんですけど、あまりにも遅かったので、自分でレースを進めました」。4000mを過ぎたところで、自ら前に出て、集団を引っ張る形になった。同組で走っていた中山柊太(1年、宝塚)、児玉航洋(1年、水口東)の両ルーキーも、集団から振り落とされまいと必死に食らいついた。
茶木がペースを上げたのは6000m付近。この時点でついてきたのは関西大の伊藤仁(4年、関大北陽)だけで、一騎打ちの様相となった。ただ残り1kmを切ったところで、過去に全日本大学駅伝での出走経験がある京都大学の足立舜(院2年、膳所)が追ってきた。最後はラストスパートを仕掛けた茶木が、2着と約6秒差をつけてフィニッシュ。思わず雄たけびを上げた。「1年生も一緒に走っているところで、2人の順位を見ると、少し厳しかった。レース中は『しっかりと自分が1位を勝ち取ろう』と思ってたので、実現できてうれしかったです」
最終4組目で大森駿斗が全体トップの好走
「いい形で3、4組目につなげた」と茶木が言う通り、ここから立命館大が本来の実力を発揮した。関西大学のエース亀田仁一路(4年、姫路商業)がスタート直後から独走した3組目。立命館大は中田千太郎(3年、智辯学園奈良カレッジ)が組2着、山﨑皓太(3年、洛南)が組6着で粘った。2組目を終えた時点で、本戦に出場できない5番目にチームがいることを、走っている途中に電光掲示板で確認した中田は「なるようにしかならない。ベストを尽くしていかないといけない」と覚悟の走りだった。
各校のエース級が集った最終4組目は、今年の関西インカレ5000mで2位だった大森駿斗(3年、智辯学園奈良カレッジ)が独走。個人全体で最も早いタイムとなる29分22秒60を残し、大阪経済大に続くチーム2位で本戦と出雲駅伝への出場を決めた。
秋の駅伝シーズンは「前例がないことに挑戦」
チームを勢いづけた茶木はルーキーイヤーの昨季、出雲駅伝と全日本大学駅伝でいずれも2区を走った。しかし、全日本の後「フォームを少し変えてみたら、いつもと違うところに力を使ってしまった」と左の大腿骨(だいたいこつ)をけがしてしまった。今年の1月ぐらいにようやく走れるようになったが、今度は仙骨を故障。「ここに合わせることも最初は不安があったんですけど、『チームに貢献する』ということを常に頭に入れながら練習していました。いまの自分の100%の力を出せたんじゃないかと思います」。4月の上旬からジョグを始め、急ピッチで仕上げ、プレッシャーのかかるレースで結果を残した。
立命館大は、参加資格が全国に広げられた第100回箱根駅伝予選会(10月14日予定)への参加をめざしている。今回のレースで出場を決めた出雲駅伝の5日後、全日本大学駅伝の約3週間前に、ハーフマラソンを走ることになる。茶木が「自分自身、昨年は出雲と全日本を走って、関東との差を本当に感じました。そういう部分でも箱根の予選会をステップアップとして、来年度、再来年度につなげていきたい」と言えば、中田は「今年の目標は『歴史を変える』。前例がないことに挑戦することが大事だと頭に入れつつ、一人ひとりの底上げをめざしていきたい」。
関西地区では誰も経験したことがないスケジュールを経て、チームがどこまで成長するのか。注目される駅伝シーズンになりそうだ。