陸上・駅伝

連載:西村菜那子の大学陸上もっと推し活!!!!

特集:第55回全日本大学駅伝

西村菜那子が選ぶ全日本大学駅伝MVP! 最初に謝ります、1人に絞れませんでした

今回は全日本大学駅伝のMVPを発表します!(撮影・齋藤大輔)

みなさんこんにちは!

11月5日に、第55回全日本大学駅伝が開催されました! 結果は駒澤大学が1区から先頭を譲らない完全優勝。さらに、どの選手も区間3位以内。昨年度の三冠王者は今年もその強さを大学陸上界に見せつけました。

また、大会MVPには駒澤大学の佐藤圭汰選手(2年、洛南)が選ばれました。2区で区間記録を11秒更新する圧巻の走りで、誰もが納得の選出です。

佐藤圭汰選手以外にも、多くのランナーが活躍

佐藤選手以外にも、もちろん数多くのランナーが活躍しました。

2区で区間新記録を打ち立て、驚異の大学駅伝デビューを果たした大型ルーキー、東京農業大学の前田和摩選手(1年、報徳学園)。4区で6人ごぼう抜きを見せ、順位を2位に押し上げた城西大学の斎藤将也選手(2年、敦賀気比)。5区で区間記録を塗り替えた創価大学の吉田響選手(3年、東海大静岡翔洋)。1年生からチームに貢献し続け、今回満を持して初の区間賞に輝いた國學院大學の平林清澄選手(3年、美方)。アンカー勝負を見事に制した、アナウンサー志望で有名な青山学院大学の田中悠登選手(3年、敦賀気比)。

例を挙げるとキリがありませんが、皆さんも多くのランナーが印象に残っていると思います。

そんな中、今回のコラムでは西村菜那子が選ぶ「個人的MVP」をご紹介します!

最初に謝ります……。1人に絞れませんでした(笑)!!悩みに悩んで、2人に絞りました。

2区で6人抜きを披露した東京農大の前田選手(左、撮影・佐伯航平)

プレッシャーの中で区間賞を獲得した赤津勇進選手

まず1人目は駒澤大で1区を走り、見事に区間賞を獲得した赤津勇進選手(4年、日立工)です!

今回の駒澤大は3大駅伝常連の選手が多くエントリーされる中、赤津選手は2年生の出雲駅伝以来、久しぶりの出走となりました。近年は強さが増し、令和の常勝軍団になりつつある駒澤大でスターターを任されたことは、赤津選手にとって大きなプレッシャーだったと思います。

実際に走り終わった後のインタビューでは「緊張しっぱなしで、自分大丈夫なのかって思っていた」と話していたほど、レース前は気が張り詰めていた様子でした。

計り知れないプレッシャーの中、レースは序盤から先頭を見据えるいい位置で走り、ラスト500mで早稲田大学の間瀬田純平選手(2年、鳥栖工業)が仕掛けたスパートにも動じずに追いつくと、さらにスピードを上げ、デッドヒートを繰り返し、最後はトップで襷(たすき)をつないで区間賞! 2位の間瀬田選手とは、なんと1秒差の接戦でした。

赤津選手の走りはこの後に続く選手に勇気を与え、チームの勢いをより高めたことかと思います。

伊勢路4連覇の駒澤大 過去の自分・前年度の自チームと競い「当たり前」のレベル高く
早稲田大の間瀬田選手(左)とのラスト勝負を制した駒澤大の赤津選手(撮影・内田光)

チームに好影響を与えた大東文化大の佐竹勇樹選手

続いて紹介するのは、同じく1区を走った大東文化大学の佐竹勇樹選手(4年、比叡山)です!

就任2年目の真名子圭監督のもと、チームは着実に成長を遂げ、箱根駅伝予選会は2年連続でトップ通過を果たしました。

予選会を終えたばかりで疲れが残る中、参加した今大会はで見事に7位入賞を果たし、18年ぶりにシード権を獲得しました。

大東文化大のエースといえば、ピーター・ワンジル選手(3年、仙台育英)です。昨年の全日本大学駅伝では1区で区間賞を獲得しました。チームに刺激を与えるスピードランナーですが、10月14日に行われた箱根駅伝予選会ではアクシデントがあり、まさかの途中棄権に。

ワンジル選手の状態が心配される中、前回ワンジル選手が走った区間を任されたのが佐竹選手でした。

もともと、駅伝は外さない選手ではありますが、どのチームも有力ランナーを配置して混戦が予想された1区で、あらゆるレース展開にも冷静に対応。見事にトップと7秒差の区間5位という結果は、チームに勢いをもたらしたとともに、大東文化大の強さを確固たるものにしたと思います。

ワンジル選手の他に西川千青選手(3年、九州国際大付)や久保田徹選手(4年、聖望学園)といった日本人エースもいる中、3000m障害を主戦場にしている佐竹選手が駅伝でもしっかりと結果を残したことは、チームにより一層の好影響を与えたと思います。

今年の箱根駅伝は大東文化大が台風の目になってくれるのではないかと注目しています!

大東文化大が全日本大学駅伝で18年ぶりシード権 真名子監督「100点をあげたい」
チームに勢いをもたらした大東文化大の佐竹選手(撮影・内田光)

3大駅伝の集大成へ、陰ながら応援します!

他にもMVPにふさわしいランナーがたくさんいらっしゃいますが、迷いに迷った結果、私は赤津選手と佐竹選手を選出しました!

みなさんの個人的MVPもお聞きできたらうれしいです!

年明けにはいよいよ箱根駅伝が始まります。ここから選手の皆さんは、記録会などで調子を上げていき、エントリー争いが本格化してくると思います。

学生3大駅伝の集大成、箱根駅伝が選手の皆さんにとって悔いのないものになるように、私も陰ながら応援していきたいと思います。

【特集】第55回全日本大学駅伝

西村菜那子の大学陸上もっと推し活!!!!

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