國學院大・伊地知賢造選手に土方英和選手の姿が重なる!? 西村菜那子の出雲駅伝展望
みなさんこんにちは!
9月14日~17日の4日間、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(埼玉県熊谷市)で第92回日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)が開催されました。駅伝シーズンが迫り、トラックシーズンの締めくくりとも言えるこの大会には、今年も学生長距離界を牽引(けんいん)するランナーが集結しました。
土方選手の影響で「アンカーを走りたい」
男子10000m決勝では國學院大學の伊地知賢造選手(4年、松山)が29分31秒20で日本人トップに入りました。今年度はキャプテンとしてもチームを引っ張っている伊地知選手。スタートしてから中盤までは比較的落ち着いてレースを進めていましたが、ラスト1周でスパートをかけ、猛追する創価大学の小暮栄輝選手(3年、樹徳)を振り切り、全体8位、日本人トップを勝ち取りました。
伊地知選手はここ最近の学生3大駅伝で、アンカーを務めることが多いです。昨年の出雲駅伝、全日本大学駅伝では最終区を任され、チームの準優勝に大きく貢献しました。
そんな伊地知選手が憧れの選手として、よく名前を挙げているのは2019年度に國學院大のキャプテンを務めていた土方英和選手(現・旭化成)です。「アンカーを走りたい」と思うようになったのも、土方選手の影響だそうです。
土方選手も、大学4年時に日本インカレの男子10000m決勝で日本人トップに輝きました。2019年の出雲駅伝ではアンカーの6区を走り、見事にチームを優勝に導いた土方選手。國學院大に3大駅伝初の優勝をもたらした、まさにレジェンドOBです。
出雲駅伝で伊地知選手は何区を走ることになるのか、まだ定かではありません。が、今年も國學院大学の最終区は伊地知選手が走ってくれるのではないかと、私は期待しています。
そして、2019年の出雲路で見られた土方選手の力強い走りを、今年は伊地知選手が体現してくれることを心待ちにしています。
京都産業大学が箱根駅伝予選会をかき回すかも
男子10000mで関東勢以外の大学で頭角を現したのは、京都産業大学の中村光稀選手(3年、和歌山北)でした。一時は伊地知選手より前を走るなど、存在感を示し、最終的には11位、日本人4位に食い込みました。
昨年の西日本インカレ男子10000mで優勝。今年の関西インカレでは男子1部10000mで2位、男子1部ハーフマラソンで優勝と、その実力は確かなもの。京都産業大は10月14日に開催される箱根駅伝予選会への出場も表明しています。「二枚看板」とも呼ばれる小嶋郁依斗選手(3年、滋賀学園)とともに予選会をかき回してくれる気がしています。
吉岡大翔選手の「リスペクト」に感激
日本インカレ男子5000mでは順天堂大学のルーキー、吉岡大翔選手(1年、佐久長聖)が日本人トップに輝きました。
レース序盤から留学生の集団につき、攻めの走りを繰り広げた吉岡選手。終盤で留学生に離されたものの、初の日本インカレで日本人トップを見事に死守しました。しかし、レース直後は表情が緩むことなく、少し悔しさがあるのかなと感じ取りました。
今年3月、吉岡選手が高校を卒業する間近に取材させていただいたのですが、思い返せば当時、吉岡選手は「これからは大学生だけではなく、実業団ランナー、留学生ランナーにも勝つ勢いでレースに挑みたい」とおっしゃっていました。
今回は日本人トップを取れたものの、やはり留学生に届かなかった悔しさが勝っていたのかなと思います。
吉岡選手は高校時代から、レース前に行われる選手紹介の際、他の選手が紹介されると欠かさず、選手に対して拍手をしています。他のランナーに対するリスペクトを感じさせる好きなシーンなのですが、その姿は大学に入ってからも変わりません。日本インカレでも見ることができました。
駅伝シーズン、皆さんの注目チームは?
今年も日本インカレが無事に終わり、10月はいよいよ3大駅伝の幕開け、出雲駅伝がスタートします。
王者の駒澤大学。トラックシーズンで結果を残した中央大学、早稲田大学、國學院大學。オリンピアンの三浦龍司選手(4年、洛南)と、最強ルーキー・吉岡選手を擁する順天堂大学。駅伝で絶対的な強さを持つ青山学院大学などなど、今年も様々なチームが出場しますが、皆さんの優勝予想はどの大学でしょうか?
私個人的には先ほどお伝えしたとおり、伊地知選手の走りが2019年の出雲駅伝で優勝のゴールテープを切った土方選手の姿が重なるような気がして、國學院大學が強いのではと予想しています。
ただ、あくまで現在の予想で、私の場合はコロコロ変わっていく可能性もあります。あるあるですね(笑)。ぜひ、皆さんの注目チームも教えてください。