陸上・駅伝

連載:西村菜那子の大学陸上もっと推し活!!!!

順天堂大・吉岡大翔を西村菜那子が取材! 競技中とはギャップのあるルーキーの素顔

「#西村駅伝 WEB MAGAZINE」を開設しました!(撮影・齋藤大輔)

みなさんこんにちは!

4月に入り、大学陸上界でも新年度がスタートしました。卒業された選手がツイッターを始めたりすると「あー、季節が1周したなぁ……」と、毎年しみじみとした気持ちになります(きっとこれは私だけではないはず……笑)。

最近の私はと言いますと、「#西村駅伝 WEB MAGAZINE」を開設いたしました。

こちらは選手の皆さんに直接お会いして取材をし、西村菜那子独自の視点で陸上を発信していくコンテンツとなっていて、今年度も私なりに陸上を盛り上げていけたらと思っております!

大学駅伝ファンの皆さまにもご覧いただけたら幸いです。お手すきの際にぜひ。

「#西村駅伝 WEB MAGAZINE」のホームページはこちら!

駅伝シーズン、台風の目は早稲田大学!

話を大学に戻し、今年も数々のルーキーが大学陸上部の門をたたきました。

大八木弘明監督が勇退し、新たな指揮官・藤田敦史監督が誕生した駒澤大学には、12人の新入生が入学しました。すでに5000m13分台のタイムを持つランナーが3人。中でも安原海晴選手(1年、滋賀学園)は兄の太陽選手(4年、滋賀学園)と、の兄弟での襷(たすき)リレーをする日が訪れるのか、たくさんの注目が集まっています。

個人的に注目をしているのは早稲田大学です。春先に行われた東京六大学対校陸上では山崎一吹選手(1年、学法石川)、工藤慎作選手(1年、八千代松陰)が大学デビュー戦で5000m13分台の自己ベストをさらに更新。即戦力として早速、頭角を現しました。

ロード、トラックともに安定した成績を持つ石塚陽士選手(3年、早稲田実業)、箱根駅伝5区で活躍した伊藤大志選手(3年、佐久長聖)、5000mチーム内トップのタイムを持つ山口智規選手(2年、学法石川)を加えた強力な「5本柱」が完成しようとしています。

今年の駅伝シーズンは、早稲田大学がかなりかき乱してくれるのではないかと期待しています!

今年の箱根駅伝5区で活躍した伊藤選手(撮影・浅野有美)

佐久長聖の皆さんの「実直さ」に驚き

大勢いるルーキーの中で、やはり今年度最も注目を集めている選手といえば、順天堂大学に進学した吉岡大翔選手(1年、佐久長聖)ではないでしょうか。

男子5000mの高校記録保持者、カリ2022U20世界選手権大会では5000mで世界の舞台に挑戦、全国高校駅伝3区の日本人最高記録保持者、高校ラストレースとして挑んだTOKOROZAWAゲームズSpring2023では、3000m高校歴代2位の7分58秒18をマークしました。

しかし、これはあくまでもほんの一例。彼は高校時代、ここでは収まりきらないほど数々の記録を打ち立ててきました。

残した結果がすごすぎて「#西村駅伝 WEB MAGAZINE」で取材させていただくまで、高校ではもはや雲の上の存在になっていると思っていました。しかし卒業式前日に話を聞かせていただいたときには、かなり意外な素顔が見られました。

佐久長聖高校時代の吉岡選手(撮影・加藤秀彬)

まず佐久長聖高校に到着すると、吉岡選手が背筋をピンっと伸ばしてお出迎え。「本日はよろしくお願いします!!」と深々と頭を下げ、ごあいさつしてくださいました。

その後も、いすやカメラのセッティングを行っていた最中、ずっと吉岡選手を含めて佐久長聖高校の選手の方は、一列に並んで立っていらっしゃって、そんな姿を見かねて私は「楽にしていてください……!!」と、おそらく5、6回は言ったかと(笑)。

どこを切り取っても、皆さんの想像を超える実直さに驚かされました。

後輩から少しいじられている姿も

大会では常に攻めの姿勢で「強い吉岡大翔」を見せていますが、取材前はまさかの小声で「大会より僕、緊張してます……」と一言。先述の通り、てっきり吉岡選手はチームの中で、圧倒的なオーラを放っていると想像していたのですが、「吉岡先輩、もっと声張ってくださいよ〜」「あれれ、先輩が1番緊張してますね〜」と後輩に少しいじられている姿が見られました。

「別格の存在!」というより、「尊敬している親しみやすいお兄さん」という感じでしょうか。飾り気のない自然体な姿が、後輩たちを競技以外でも惹(ひ)きつけ、チーム全体の雰囲気を良くしていることを目の当たりにしました。

実は大のアニメ好きで、競技中とプライベートとでは、いい意味でかなりギャップがある選手のように感じます。順天堂大に華々しく入学した吉岡選手は、これからどのような大学生活を送っていくのでしょうか。

注目をされ続ける4年間になるかと思いますが、押しつぶされることなく、息の長いランナーになってくれたらうれしいです。

金栗記念選抜陸上中長距離大会が大学デビュー戦となりました(撮影・辻隆徳)

ちなみに本人は、箱根駅伝だと1区を走ってみたいとのこと。近い将来、もしかしたら順天堂大のスタートを切る吉岡選手を見られるかもしれませんね!同郷としても吉岡選手の活躍を楽しみにしています。

春から夏までトラックシーズンが続きますが、徐々に観戦可能な大会が増えてきたので、私も2023年度は行ける限り現地で見て、その場で感じたことをコラムで書いていけたらと思っています!

今年度も大学陸上を一緒に楽しみましょう!

西村菜那子の大学陸上もっと推し活!!!!

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