陸上・駅伝

連載:NGT48西村菜那子の大学陸上ココに注目!!!!

大学でも活躍する「原石」を探せ!「春の高校伊那駅伝」西村菜那子の注目ポイント!

西村さんの故郷・長野県で開催される伊那駅伝に注目!熱く語ります!(撮影・齋藤大輔)

「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は、西村さんの出身地でもある長野県で開催される「春の高校伊那駅伝」について。注目すべきポイントと選手を語ってくれました!

4年生のみなさん、卒業おめでとうございます!

みなさん、こんにちは! 気がつけば、この記事が2020年度ラストのコラムです。 あっという間に卒業シーズン。4年生がチームから離れていく寂しさが募る時期ですね。

私は1997年生まれなので、昨年大学を卒業した年代と同級生です。つまり今の4年生は私にとって初めての大学駅伝年下ランナーの世代なのです。彼らたちが入学した2017年に感じた、自分より年下の人が大学駅伝を走っているという不思議な感覚は今でも忘れられません。こうして私も歳を重ねていくんだなとしみじみ思う最近であります……(笑)。

改めまして。少し早いですが、4年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。コロナ禍というイレギュラーな1年で苦労や葛藤を経験し、チームを引っ張り続けた姿は勇敢そのものでした。これからの新天地でのご活躍、楽しみにしています!

「春の高校伊那駅伝」で未来の大学エース候補をチェック!

さて、今回は今年度に残っている、ある一つの駅伝にスポットを当ててお話しをしていきたいと思います。今月21日に、私の故郷でもある長野県にて開催される、春の高校伊那駅伝です。ここで活躍した選手がほんの数年後に大学陸上にやってくるので、大学陸上ファンの方もチェックしないのは損な大会なのです。

毎年春の信州・伊那路を舞台に1、2年生の新チームで挑み、男子6区間42.195km、女子は5区間21.0975kmで行われています。最大の特徴はなんといってもエントリー数。特に男子では毎年100チームを超える学校がエントリーをしています(今年は男子93チーム、女子49チーム)。選手の中には、“春の都大路”だと思って大会に挑んでいる方も多いようです。

前回大会(2019年)男子の部で優勝したのは、強豪・世羅高校!(撮影・松嵜未来)

1、2年生というまだ経験が浅い時期に全国の強豪選手と戦うことで、自分の課題だけでなく、チームの課題も見ることができるなど、かなり重要な位置付けの大会と言われています。それと同時に、未来のスター選手を見つけようと大学や実業団の指導者も集結する、非常に注目度が高い駅伝でもあります。

昨年度はコロナウイルスの影響で中止となっているため、今年は2年生含め出場選手全員が大会初参加となります。前回大会の2019年では、男子は世羅高校、女子は仙台育英高校が優勝を果たしました。特に世羅高校は、昨年末に行われた全国高校駅伝において男女共に1位、アベック優勝を果たすなど、今最も勢いがあるチームです。

風も強い難コース! 注目の選手は……

ちなみに男子のチーム別1、2年生5000m自己ベスト上位6名の平均トップは、世羅高校で14分4秒15でした。続く2位は、学法石川高校の14分11秒21。地元長野県の佐久長聖高校は、14分20秒22で5番目のタイムでした。女子のチーム別1、2年生3000m自己ベスト上位5名の平均トップは、仙台育英高校の9分14秒58。2位は、立命館宇治高校で9分20秒48でした。

中央大学のスーパールーキーとして注目された吉居大和選手(左)も区間賞を獲得していました!(撮影・松永早弥香)

男女共にトラックタイムだけを見ると、前回大会で優勝をしている世羅高校と仙台育英高校が頭ひとつ抜けている状況ということが分かります。もちろん、駅伝はトラックタイムが全てではないですし、特に伊那駅伝は中央アルプスと南アルプスの2つのアルプスに囲まれたコースということで、風の強さが特徴的。過去に伊那路を走ったランナーも「伊那駅伝の思い出といえば風!  風がとにかく強かった!」とおっしゃっていたくらい、何よりも風が印象に残っているそうです。

仙台育英高校女子チームは、この年の都大路でも優勝。強さを見せました!(撮影・松嵜未来)

普段練習をしている環境との違いもあり、当日は何が起きるかわからない駅伝ですが、だからこそトラックタイムからは考えられない爆発的な力を発揮する選手もたくさん現れます。

中でも私が注目しているのは新潟県・中越高校の鈴木孔士選手(2年)。鈴木選手は、1年時に全国高校駅伝の出走メンバーに選ばれず、悔しい思いをした選手です。そこから1年間、コロナの影響で部活動が停止になった時期もありましたが、自宅で監督から教えていただいたトレーニングを1人で積み重ね、11月には5000m自己ベストがチーム内2番目になるなど、コツコツと力をつけてきました。そして昨年末の全国高校駅伝では4区を担当し、見事出走メンバーの座をつかみ取りました。そんな実直な人柄の鈴木選手の好走が伊那駅伝でも拝見できたら嬉しいです。

春の都大路。2021年最初の高校駅伝として選手の方が悔いのないレースを、そして新たな“駅伝男、駅伝女”を見つけられるのが楽しみです!

今回「伊藤国光杯」を獲得するのは?

もう一つ。伊那駅伝で注目してほしいところがあります。それは伊藤国光杯です。伊藤国光杯とは、長野県伊那市出身で日本を代表する長距離ランナーである伊藤国光さん (JFEスチール競走部監督)より、長野県内の最優秀選手男女各1名に送られる、大会MVPのようなものです。

これまでには、現在佐久長聖高校の陸上部監督をされている高見沢勝さんや、立教大学陸上部の監督である上野裕一郎さんも受賞。近年では名取燎太選手(現・東海大学4年)、中谷雄飛選手(現・早稲田大学3年)が選ばれているなど、今陸上界で活躍している信州ランナーたちが揃って受賞しています。今年の伊藤国光杯で未来の箱根ランナーを探すのも面白いですよ。陸上大国とも言われている長野県選手の活躍に注目してください!

早稲田大学のエースとして活躍する中谷選手も、伊藤国光杯を獲得しています(撮影・朝日新聞社)

大会当日はNBS長野放送さんにて、正午〜2時54分。BSフジテレビさんにて、正午〜2時30分で放映されます。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、沿道での応援は自粛されていますので、テレビでの観戦で大会を楽しみましょう!  伊那駅伝で活躍した選手、もしくは活躍できなくても努力を続けた選手が、4years.さんに取り上げられる日も、そう遠くないはずですので。

NGT48西村菜那子の大学陸上ココに注目!!!!

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