陸上界を盛り上げる! 世界に羽ばたく「97年組」の西村菜那子的注目選手!
「駅伝に詳しすぎるアイドル」として陸上ファンも一目置くNGT48西村菜那子さんのコラムです。今回は、陸上界で活躍が目立つ97年生まれの選手について。偶然にも西村さんと同い年の世代ですが、その中で特に注目している選手を語ってくれました!
とにかくアツい!97年組
みなさん、こんにちは!
突然ですが、私は1997年生まれの23歳で、今年24歳になります。同い年の選手には、先日の兵庫リレーカーニバルで10000m自身初の27分台をマークした太田智樹選手(トヨタ自動車/早稲田大学卒)や、2000mSCに出場し、日本新記録を更新した阪口竜平選手(SGホールディングス/東海大学卒)などがいらっしゃいます。ちなみに先月5日は阪口選手の誕生日だったようです! おめでとうございます!
他にも、ランニング×コメディYouTuberとして今陸上界から注目を集めている「たむじょー」こと田村丈哉さんも同じ97年生まれ。帝京大学出身の彼は、2018年には箱根駅伝8区に出場しています。
最近では、ロンドンオリンピック800m日本代表にもなった横田真人さんがコーチを務めるTWOLAPSトラッククラブとコラボをするなど、異色の陸上系YouTuberとして人気が高まっています。
皆さんお気づきかと思いますが…そうなんです…! 陸上界は今、97年組がとにかく熱いのです! 今日は同い年で活躍する97年組ランナーのお話をしたいと思います!
97年生まれでまず思い浮かべる選手は……
まず1人目は、相澤晃選手(旭化成/東洋大学卒)です。やっぱり、97年組といえば相澤選手を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか? 10000m日本記録保持者であり、東京オリンピック内定を獲得している日本を代表するランナーです。ちなみに、5月3日の日本選手権10000mで優勝し、同じく東京オリンピック内定を獲得した伊藤達彦選手(HONDA/東京国際大学卒)も97年生まれですね。
相澤選手といえば、大学時代に華麗な成績を残されてきています。学生3大駅伝(出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝)においては2年以降、すべて出場。そして3年の箱根駅伝からは全ての大会で区間賞、区間新記録を更新という、驚異的な記録を叩き出しました。
圧倒的な強さが特徴ですが、そんな相澤選手のニックネームは“姐さん”。同じ学法石川高校出身の田母神一喜選手(阿見AC/中央大学卒)が呼んでいたことから陸上ファンにも広まっていったこのニックネームですが、姐さんとも呼べる親しみやすさが相澤選手の魅力の一つですね。これからまたどんな輝かしい成績を残していくのか、とても楽しみです。
中高生の憧れナンバーワンの選手
続いてお話しするのは、中距離の無類の強さを誇るこの選手。館澤亨次選手(横浜DeNA/東海大学卒)です。日本選手権では1500mで三度の優勝を経験。また大学時代では箱根駅伝6区で区間新記録を更新するなど、長距離にも対応するオールマイティな選手です。
館澤選手とは一度、取材でお話ししたことがあるのですが、個人的に走っている姿と普段の姿に一番ギャップを感じた選手でした。レースに挑む館澤選手はとても凛としていて、果敢に攻めるイメージがあったのですが、実際にお話をしてみると、驚くほど温厚な人柄で、喋り口も穏やかで、優しい性格が表れていました。
実は私、握手会などのイベントに陸上部の学生さんが来てくれた際に、必ずしていることがあります。それは、「憧れの選手」を聞くこと。数多くのランナーがいる中で、中高生たちはどのランナーに憧れているかとても気になります。今まで様々な学生ランナーの方に聞いてきたのですが、そこで一番名前が多く上がっていたのは館澤選手でした。
握手会に来てくれた中高生ランナーの多くが「館澤選手のように、中距離だけでなく長距離も走れるタフなランナーになりたい」と瞳を輝かせていました。子供たちから見て憧れの存在になっている館澤選手の走り。長距離だけでなく、中距離界でも97年組がオリンピックに内定されることを願って、館澤選手の活躍に期待したいと思います。
実は真っ先に名前が浮かんだのは、復活したこの選手!
最後に選んだのは、羽生拓矢選手(トヨタ紡織/東海大学卒)です。97年組には沢山素晴らしい選手がいるので、どの選手のお話をしようか本当に悩んだのですが……、私的にはこの世代のエース選手といって真っ先に名前が浮かぶのは、羽生選手なんですよね。
羽生選手の名が広まったのは高校時代。八千代松陰高校に進学すると、1年時に全国高校駅伝では3区を任され、日本人トップのタイムで襷(たすき)リレー。怯むことなく他校の留学生選手を攻めていく闘志溢れる姿勢がとても印象に残っています。3年時にはエース区間の1区に出走。佐久長聖高校(当時)の關颯人選手(SGホールディングス/東海大学卒)との競り合いが続き、最後は負けてしまったものの、区間2位の成績を残しました。怖いもの知らずで迷いもなくひたすら前へ前へと突き進む力強い走りがとても魅力的です。同い年にこんなにパワフルな選手がいるのか! と高校時代とても驚いた記憶があります。
その後、スーパールーキーとして東海大学に入学しましたが、大学時代はけがが多く、三大駅伝に出場したのは1年時の全日本大学駅伝のみ。羽生選手本来の力が発揮されず、苦しい4年間を過ごすことに。そして羽生選手は大学卒業後、トヨタ紡織へ。すると苦渋を味わった大学時代の思いを晴らすかのように、昨年は5000mと10000mのどちらも自己ベスト更新。中部実業団駅伝では1区で区間賞、区間新記録の快走を見せました。
羽生選手の復活に喜ぶ駅伝ファンの方の声がTwitter上にあふれ、彼がいかに陸上界から愛されている存在かというのを思い知ることができました。「羽生選手は実業団へ進まず、引退してしまうのかな……」。そう感じたこともあったのですが、今こうして、羽生選手が実業団で輝きを取り戻しつつある姿が見れること、とても嬉しく思います。箱根駅伝を走る姿を見ることは叶いませんでしたが、これからはニューイヤー駅伝という舞台で、羽生選手の輝く姿を見られることを願っています!
他にも、マラソン歴代9位タイの記録を持つ吉田祐也選手(GMOアスリーツ/青山学院大学卒)、東京オリンピック女子マラソンに代表内定をしている一山麻緒選手(ワコール)など、97年生まれには強力なランナーがたくさんいます。同い年が陸上界で輝きを放つ姿は本当に誇りです! アイドルという別の世界ではありますが、私も同世代の選手の方の頑張りを励みに活動していきたいと思います。