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東京選手権1500m優勝の横浜DeNA・館澤亨次 さらなる強さを求め「挑戦」を

1500m決勝で優勝を決め、ガッツポーズする館澤(すべて撮影・藤井みさ)

第83回東京陸上競技選手権大会

7月23~26日@駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
男子1500m優勝 館澤亨次(横浜DeNA)3分42秒67 大会新記録

陸上の東京選手権が7月23~26日の4日間で開催され、2日目の1500m決勝で今春東海大を卒業した館澤亨次(横浜DeNA)が3分42秒67の大会新記録で優勝した。昨年、1500mでは0勝。「勝ちグセをつけたい」と語っていたが待望の結果となった。

横浜DeNA・館澤亨次 自粛期間もプラスに過ごし「いま、とても陸上が楽しい」

飯島と2人で引っ張りあって先頭に

1日目の予選では、プロアスリートチーム・TWOLAPS TCでともに練習する飯島陸斗(早稲田大~阿見AC)と同じ組だった。決勝へは2着+2が進出条件。そのため2人で「安全圏でいこう」と相談し、前半を館澤が、後半を飯島が引っ張り集団から抜け出し、2人で危なげなく決勝進出となった。

大会前に取材した際、「胃腸炎のあと不調になってしまった」と言っていたが、その不調から回復した、とはまだ言えない状態。1500mを走っていても最後の1周で、またジョグをしているときも5000mをすぎると体が重く感じたりするという。「原因がわからず苦しんではいるんですが、もがいてみようかな」と今できることをやっていこうとする館澤の気持ちが伝わってきた。

予選通過を決め、飯島(右)と笑顔で言葉をかわす

迎えた決勝、この日も飯島と600mずつ引っ張り、ラスト300mは勝負、と決めていたという。「でも調子が悪いからと前半(の引っ張り)を担当させてもらって。圧倒的に有利になってしまうので申し訳ないという気持ちと、でも不調だからお願いしたい……という気持ちでした」

有利だからこそ負けるわけにはいかない。感謝しつつも勝負どころは頑張ろうと決め、ラストを懸命に上げた。レースは2人の想定通り進んだが、そこに食らいついてきたのが佐久間秀徳(明治大3年、国学院久我山)だ。「正直、(残り)200mであげようと思ったけど、思った以上に上がらなくて……ラスト100で横に並ばれてから、もがいて、もがいてギリギリでした。『負けた!』と一瞬思いました」

ライバルは最も身近な存在

タイムに関しては今の状態では十分すぎる結果、優勝にも満足しているといいつつも、気を引き締める。「この状態でも勝てたのは本当に嬉しい限りですが、陸斗(飯島)にレース展開がキツイところはやってもらったので、同じ条件で勝たないと勝った気がしないですね。あの中間をあれだけのペースで引っ張ってくれた強さ、怖いなと。それから陸斗以外の選手もあなどれないなと思いました。特に佐久間選手。こんな状況でも練習していたからこその強さだと思うので、自分も頑張らなきゃな」と喜びの中にも複雑な胸の内をのぞかせる。

佐久間(左)とはわずかに0.33秒の差だった

改めて飯島の存在について聞いてみると「すごい努力家」だという。「一緒に練習してるからこそ、負けてられないなと思います。後半(引っ張るのを)全然行くよ、と言ってくれたり、メンタルも強いなと。それから(TWOLAPS TCでともに練習する)楠(康成)さん、田母神(一喜)もいて、これほどありがたい環境はないんじゃないかな。同級生でもあるからこそ負けたくないし、彼らを目標にして僕も頑張っていきたいです」

挑戦し、優勝を目指していきたい

大学時代はトラックシーズンに1500m、秋からは駅伝に取り組んでいた館澤。大学2、3年時の日本選手権1500mで連覇したが、昨年の4年時はけがの影響もあり1500mでは1回も勝てなかった。大学3年時の全日本インカレぶりの1500mの勝利は、1年延期になった東京オリンピックを視野に入れている彼にとって価値あるものとなった。

強い仲間と切磋琢磨しながら、さらに実力をあげていく

「せっかく社会人になって陸上を続けているので、負ける気はないけどいろいろ挑戦していきたい」と意欲を口にする館澤。「今までは(前に)ついていってラスト(勝負)、だったんですが、負ける可能性が高くなっても最初から強気で攻めてみるとか、挑戦する1年にしたいです。全体的に中距離のレベルが上がってるので絶対に優勝できる、とは言えないけど、何もない年でも優勝を目指していきたいですね」

次は招待されれば8月23日のセイコーゴールデングランプリ、そして9月の全日本実業団選手権と大会が続く。王座奪還へ、もっと強く。館澤の挑戦は続く。

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