陸上・駅伝

特集:第103回日本陸上競技選手権

日本選手権男子1500m 戸田雅稀が3年ぶり優勝、館澤亨次は3連覇ならず

トップでゴールし、喜びを爆発させる戸田(写真はすべて撮影・藤井みさ)

第103回日本陸上競技選手権 最終日

6月30日@博多の森陸上競技場
男子1500m 決勝
1位 戸田雅稀(サンベルクス) 3分39秒44
2位 松枝博輝(富士通) 3分40秒93 
3位 荒井七海(ホンダ) 3分41秒57

7位 河村一輝(明大4年、大垣日大) 3分43秒80
9位館澤亨次(東海大4年、埼玉栄) 3分44秒39
11位 舟津彰馬(中大4年、福岡大大濠) 3分49秒13
12位 飯澤千翔(東海大1年、山梨学院) 3分54秒02

日本選手権の最終日は6月30日、今秋のドーハ世界選手権の代表選考会を兼ねて福岡・博多の森陸上競技場であり、男子1500mで戸田雅稀(東農大~日清~サンベルクス)がハイペースのレースを制し、3分39秒44で優勝した。このレースで上位5人が自己ベストを更新した。

大学生で決勝に進んだのは、館澤亨次(東海大4年、埼玉栄)、飯澤千翔(東海大1年、山梨学院)、舟津彰馬(中央大4年、福岡大大濠)、河村一輝(明治大4年、日大大垣)の4人。1周目は松枝博輝(富士通)がひっぱり、飯澤と館澤がそこにつく。400mの通過は59秒と、ハイペースでレースが動いた。2周目で戸田雅稀(サンベルクス)が先頭に出て、スピードを保ったまま前へ。残り600mほどで戸田、松枝、新井七海(ホンダ)、清水鐘平(NDソフト)の4人が先頭集団となり、後ろを突き放した。ラスト200mから激しいスパート勝負となり、戸田が逃げ切ってゴール。戸田は2016年以来、3年ぶりの1500mでの日本選手権優勝となった。大学生では7位に入った川村一輝が最高。3連覇がかかっていた館澤は9位、関東インカレを制した飯澤は最下位という結果になった。

挑戦者の気持ちで一からつかみとった

戸田ははじめから積極的にレースを引っ張った

優勝した戸田雅稀の話
「思ったよりも速いペースで推移したので、自分にとっていい展開だったと思います。ロングスパートで出るタイミングも狙い通りでした。前(2016年)優勝したときは本当に勢いだけだった感じですが、今日は本当にノーマークだったと思うので、挑戦者の気持ちで一からつかみとってやるぞ、という気持ちで臨みました。1500mに特化した練習をやってきたのが良かったんだと思います。(所属していた)日清の陸上部が縮小して退部という形になってしまったけれど、本当にお世話になったという気持ちがとても大きいです。そして(現所属の)サンベルクスさんが快く引き受けてくださって、今はのびのびとやれています。所属先は2ヶ月ほど決まりませんでしたが、自分自身がしっかりとしていれば大丈夫だという気持ちを持って過ごしていました」

完全に力不足、力負けだった

ラスト1周、館澤と飯澤は集団の最後方まで下がった

館澤亨次の話
「調子は悪くなかったです。完全に力負けです。自分が今まで勝てたのはスローペースでレースが進んで、最後まで余力を持っていったパターンだったので、アジアや世界の舞台に立ったとき、本当に上を目指していく上では勝てない、力不足だと実感しました。ハイペースになる覚悟はあったので、前の方で勝負するつもりでポジションを取っていたにもかかわらず勝てず、弱さが出てしまいました。この日に調子も合わせてこれて、シーズンの悔しさや自分が持っている経験すべてを活かして、日本選手権だけは絶対譲りたくないという思いでした。だからこそ悔しいです。世界陸上への道が途絶えた今、主将として東海大学を背負っていかなきゃいけないので、駅伝に向けてすぐ切り替えていきます。今シーズンは1500mの悔しさはもう晴らせないと思うんで、しっかり駅伝で強くなって、来年の日本選手権でどんなレースでも負けない選手になって戻ってきたいです」

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