陸上・駅伝

勝って勝って勝ちまくる 中大・舟津彰馬のラストイヤー

レース中に「勝てるイメージが浮かんだ」という舟津

兵庫リレーカーニバル 男子グランプリ1500m

4月21日@ユニバー記念競技場 
優勝 舟津彰馬(中央大学4年) 3分46秒10

猛スピードで最終コーナーを曲がり、バタバタバタとゴールに飛び込んだ。中大4年の舟津彰馬(福岡大附属大濠)は、前を行く森田佳祐(筑波大~小森コーポレーション)を“差して”優勝をもぎとった。ギリギリのところでしたね、と問いかけられた舟津は「余裕で差せると思ってました」と返した。集団の後方からスタートした舟津だが、勝つイメージがあったのだという。「走り出してから、漠然と『勝ったな』と思ったんです。ラストで自分が差すイメージが浮かんで、どの位置にいても勝てると思って。イメージ通りに走りました」

タイムより勝利

「ユニバーシアードみたいな大きな試合に出るためには、しっかり1位を取っていこうと考えてました。不利な展開からもこの結果を出せたのは、これからにも生きてくると思います」。当面の目標はユニバーシアード出場だ。「調子をもっと上げて、横綱レースができるようにしたい」と頼もしい。

最後の直線で森田(右)を抜き去り、勝ちきった

タイムではなく、順位にこだわる。3月のアメリカ遠征の際、スタンフォード招待の1500mをこの日より速い3分44秒00で走ったが、全体の10位だった。「タイムを出すには、自分が本当に望んだ状態じゃないと難しい。それよりもまずは勝つこと。展開がどうであれ、しっかり勝つことを意識してます」。勝ちにこだわれば、おのずとタイムもついてくる。

大学1年生で主将を任され、全国的な注目を浴びた舟津。とうとう大学ラストイヤーを迎えた。「最後の1年は、すべてにおいて負けたくないです。去年は『負けからも学ぶことがある』という、いま考えると逃げの姿勢だったなと思います。箱根の時期も調子がよくなくて、選手としてやらなきゃいけないことをちゃんとできてなかった。しっかり自分を見つめ直したので、今年は勝ちに対して貪欲になっていきたいと思います」。力強く宣言した。

宿敵はチームメイトの田母神

チームメイトであり陸上部長距離ブロック主将の田母神一喜(4年、学法石川)は1500mでアジア選手権代表に選ばれ、ドーハに遠征。田母神の存在が舟津にとって、日々の刺激になっている。「いま田母神がアジア選手権に出てますけど、実はいまも『俺が出たほうが強い』って思ってます。多分逆になったとしても、あいつもそう思ってるはずです」。同じレースには出なくても、お互いの結果を確認しあって「お前には負ける気がしない」と言える間柄だ。「いまは自分がやるべきことをしっかりやって、お互いに刺激を与え合って切磋琢磨していければと思います」

「すべての試合に勝ちたい」と舟津。あと何度、彼のVサインが見られるだろうか

長距離ブロック主将が田母神、駅伝主将が舟津という新体制になって3カ月あまり。「実質自分が副キャプテンみたいなところもあります。田母神は言葉が強いので、フォローに回って。でも彼もリーダーシップを出して、しっかりやってます。インカレや日本選手権で、田母神とガチンコでやりたいですね」。信頼できる存在であり、ライバルというわけだ。
舟津の勝ちに徹するラストイヤーが幕を開けた。

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