ラグビー

天理大、主力の留学生は関西王座奪還に自信 あの先輩を追って来日

関西学院大戦で、タックルを受けながらも前進する天理大のパトリック・ヴァカタ(撮影・佐藤祐生)

 関西大学ラグビーAリーグ(1部)で、3年ぶりの王座奪還を狙う天理大は2日の最終節、2連覇中の京都産業大に挑む。

京都産業大・三木皓正主将は「タックルの鬼」 ディフェンス強化で10度目の壁に挑む

 ともにここまで6戦全勝。勝った方が頂点に輝く大一番を前に、ナンバー8のパトリック・ヴァカタ(3年)は「楽しみです。ワクワクする。自信はあります」と笑顔をみせた。

 トンガ出身で、189センチ、115キロの体格を生かした突破力が持ち味だ。昨秋のリーグ戦では10トライでトライ王に輝き、今季も第6節まででリーグ最多の12トライを挙げている。

 攻撃の要の21歳は、同じトンガ出身の先輩の背中を追って日本にやってきた。

 兄3人、妹1人の5人きょうだい。一番上の兄が、天理大出身でワールドカップ(W杯)フランス大会日本代表のシオサイア・フィフィタ(トヨタ)と同級生だった。

 子どもの頃は、自宅で一緒に遊ぶような仲だったという。

 フィフィタとともに、2020年度に天理大初の日本一に貢献したアシペリ・モアラ(東京ベイ)とも親しく、2人を追うように同じ日本航空石川高に留学。大学も2人と同じ道をたどり、「強いチームでレベルアップしたい」と天理大に進んだ。

 日本語はチームメートから学んだ。高校も同じだった双子の藤原健之朗、竜之丞と話しながら、「そうじゃない」「発音が悪い」などと教えてもらい、身に付けてきた。

 ヴァカタには、大きな夢がある。

 フィフィタと同じように、「僕も日本代表でプレーしたい」。

 トンガ出身で元日本代表のアマナキ・レレイ・マフィ(横浜)にあこがれ、フィフィタが出場した今秋のW杯を見て、「次の大会のメンバーには選ばれたい」と心をくすぐられた。

 まずは、「天理大で優勝する。勝ちにいきます」。

 天理大は16年から20年まで、関西リーグ5連覇を達成したが、直近2年は京産大に阻まれ、21年は3位、22年は2位に終わっていた。

 強敵を破って、3年ぶりの関西王者、そして日本一に。偉業を成した先輩にならう。

(佐藤祐生)

=朝日新聞デジタル2023年12月02日掲載

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