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特集:ウインターカップ2023

好物はケンタッキー 日本航空の留学生エースは「メッシ見て育った」

高岡第一戦で、ダンクを狙う日本航空のジェラマイア(撮影・野村周平)

(25日、全国高校バスケットボール選手権ウインターカップ男子2回戦、日本航空○98―78●高岡第一)

亡き師の教えを体現した第4Q 涙の仙台大明成エースが語った恩

 全国高校総体を制した日本航空(山梨)はエースの2年生、オルワペルミ・ジェラマイアが初戦の高岡第一戦で33得点、31リバウンド、2ブロックと攻守にわたって大活躍。3回戦進出に貢献した。

 「今日は50%(の出来)。明日は70%にしたい。チームメートがみんな得点をとった。すごい。もっとパスとドライブ(ゴール下へのドリブル突破)をよくしたい」。笑顔を浮かべて、日本語で話した。

 ナイジェリア出身。身長はちょうど2メートルで、跳躍力は群を抜く。ダンクの中でも片手を風車のように回しながらたたき込む「ウィンドミル」が一番好きで、練習ではよく試している。ただ、初戦のこの日は両手でのダンクだけで我慢した。

 「今日は点差が近かった。片手は点差が離れた時だけ。勝つのが一番」

 愛称はジェリー。4歳のころから10歳までサッカーをしていた。ポジションはセンターフォワード。「ロナルドやメッシを見て育った」。10歳になると急激に背が伸びて、親や友達にバスケットを勧められた。「サッカーをしていたから走れるし、ジャンプもできて得点がとれた。どんどんうまくなっていた」

 日本でのポジションはセンターだが、ナイジェリアでは機動力をより生かせるスモールフォワードでプレーすることが多かった。「いつかプロ選手になったら、フォワードでプレーしたい」と言う。

 昨冬のウインターカップや今夏の高校総体で、他校にいる留学生と自分との違いに気付いた。

 「ほかの海外選手は球を持ったらシュートに行く。僕は違う。誰かがフリーになったらパスを出せる。僕に2人の選手がついたら、誰かがフリーになる。それをいつもチェックしている。パスを出せば、仲間はうまくキャッチしてくれる。いつもオプション(選択肢)があるようにしているんだ」

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 陽気なキャラクターで、日本航空のチームメートたちにいつもちょっかいを出しているが、遠く離れた家族は恋しい。「親に最低でも週に3回は電話している。毎日話したいけど、時差があるから難しいんだ」

 誕生日にはチームメートからジュースやお菓子のプレゼントをもらい、好物のケンタッキーフライドチキンのチキンを骨ごと平らげた。家族のような仲間たちとの目標は明確だ。ジェリーはきっぱりという。

 「(高校総体に続く)2回目の日本一です」

(野村周平)

=朝日新聞デジタル2023年12月25日掲載

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