太陽生命ウィメンズセブンズシリーズは女性が輝く舞台 花園大会でトークショー
女子7人制ラグビーの国内最高峰である「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2024」の最終戦(第4戦)・花園大会が5月末に開催された。2日間にわたる本大会を制した「ながとブルーエンジェルス」が、2年連続4度目の年間総合優勝に輝いた。最終日には、今シーズンの全4大会8日間のうち最多となる1847人がスタンドから声援を送った。試合のインターバルでは、ラグビー体験会やトークショーが開催され、元日本代表の廣瀬俊朗さんらがゲスト参加し、女子ラグビーの魅力を存分に分かち合った。
幼児から大人まで、廣瀬俊朗さんとラグビー体験会
広いピッチをダイナミックに使いながら、攻守がテンポ良く入れ替わるセブンズ。その試合のインターバルで行われたのが、ラグビー体験会「ラグビーにトライ!」だ。グラウンドに飛び出したのは、2歳から60歳までの43人。元男子セブンズ日本代表の築城昌拓さんが進行を務め、ゲスト参加した、15人制日本代表でキャプテンを務めた廣瀬さん、ワールドカップに出場して現在もプレーを続ける山田章仁選手、そして元女子日本代表の鈴木彩香さんと一緒に楽しんだ。
築城さんが「ラグビーに!」と声をかけると、参加者は「トライ!」と元気に呼応。地面に置いたボールをかけ声に合わせて、早い者勝ちで取り合うゲームで体も心も解きほぐすと、徐々に参加者の動きもリズミカルに。3人1組でボールを回す速さを競い合うゲームでは、廣瀬さんが入ったチームが2連勝。山田選手は悔しがったが、鈴木さんは「楽しむ時には楽しんで、悔しい時には悔しがるのも大事なことです」と、全力でラグビーを楽しむ極意を明かした。
体験会は次第に歩きながらのパス、少しスピードを上げながらのランパスとレベルアップ。インゴールに敷かれたマットに飛び込んでのトライ体験では、誰もが笑顔でダイビング。パスを落とした仲間にも、少年が「まだまだ、行けるよ!」と声を掛け合うなど、一体感が生まれていた。最後には、築城さんの「ラグビーに!」の呼びかけに、スタンドの観客も「トライ!」と応えて、スタジアム全体が ”ワンチーム”になっていた。
鈴木彩香さん、女子ラグビーは「ポジティブなシンボル」
さらに数試合を挟んだ次のインターバルでは、廣瀬さんたちがトークショーに臨んだ。7人制もプレーした山田選手は現役の快足WTB(ウィング)の視点から、女子セブンズの印象を「攻守がすぐ入れ替わって、スピーディ。ウィングとしての目からも、トライのシーンが盛り上がるし、見ていても楽しい」と語った。廣瀬さんは、次々と試合が行われる大会形式に「たくさんのチームを一気に見られる。これは魅力的」と、15人制とは違う特長を口にした。
鈴木さんは、女子ラグビーだからこそ持つ価値があると強調する。「競技の特性という点から社会とつながり、多様性があり、女性が活躍できるという価値を見出してもらえれば、女子ラグビーはすごく魅力があると思うんです」と熱を込める。自身も1児の母であり、「社会で頑張っている女性、出産した後も仕事を頑張る人たちにも、ポジティブなシンボルになると思う」と、女子ラグビーの進むべき道を語った。
廣瀬さんも「男性がやるスポーツと思われがちなスポーツを女子がやっているというのが魅力的。ここにも僕は大きなヒントがあると思う。そういうことを、社会に対してどうアピールしていくか」と、ともに今後を思い描いた。
その目標へとたどり着くために、第一歩となり得るのがこの大会だ。鈴木さんは「子どもたちにも、こういう大会があるんだよ、目指せる場所があるんだよ、ということを発信していきたい」と大会と競技の発展を願う。廣瀬さんは、この日のラグビー体験会も、「グラスルーツは大切で、ここでラグビーをしたというのはすごい体験。こういう地道なことが大事だと思う」と、自身が成長してきた場でもある花園から、新しい芽が出ることを期待した。
女子の盛り上がりが日本ラグビー界の活気に
大会ではながとが連覇を飾ったが、同チームのキャプテンで大会MVPにも輝いた藤崎春菜選手も、鈴木さんと同じ思いを口にする。地元でラグビー教室を開催すると、「私たちのことをキラキラした目で見てくれたり、将来ブルーエンジェルスに入りたいと言ってくれたりする子もいます。そういう子どもたちにもっと夢を見せていけたらいいなと思います」と、女子ラグビーが持つ存在感を感じている。
「この大会に出ている選手全員が人生を懸(か)けて、命を懸けてここに立っていると思います。そういう思いも込めて、新しい選手にどんどん出てきてほしいと思います」。先輩たちが築いてきた歴史をつなぐ責任感を口にした。
そうした後輩たちを支えるためにも、鈴木さんは「素晴らしいパフォーマンスをしている選手たちに対して、何ができるのか。一人ひとりが考えて、実際に動くことが大事だと思う」と話す。廣瀬さんは「女子ならでは、7人制ならでは、日本ラグビーならではというものを、言葉にしてどうやって作って、打ち出していくかというのが大事だと思う」。山田選手も「女子が盛り上がれば、日本ラグビー全体が盛り上がる」と、ラグビー界全体で前進していく重要性を強調した。
大会は現在、入場料無料だが、「まずは有料の大会にして、自立できるようにしたい」と鈴木さん。そのためにもSNSなどで積極的に情報発信していくと宣言しつつ、「来年の大会では、皆さんが1人お友だちを連れて来場してください」と再会を約束していた。
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