SVリーグ加入の4選手が抱負 中央大バレー部が会見 イタリア派遣選手も
今シーズン、関東大学春季リーグ戦と東日本インカレを制覇した中央大学の男子バレーボール部が12月20日、会見を開いた。SVリーグに内定した4人の選手が4年間を振り返り、門出を前に抱負を語った。また、イタリアに選手を派遣するプロジェクトに選ばれた3人の選手もともに出席し、旅立ちを前に決意を述べた。
柿崎主将 「日本代表も目標に」
会見に出席したのは、日本製鉄堺ブレイザーズに内定した主将の柿崎晃(4年、北海道科学大学高)、山根大幸(4年、前橋商業)のほか、名古屋ウルフドッグスに加入する澤田晶(4年、愛工大名電)、山﨑真裕(4年、星城)の計4人。
春季リーグ戦、東日本インカレでともに最優秀選手賞を受賞した柿崎は、SVリーグで外国人選手が増えていく中、自身が発揮できる強みとして、安定したレシーブや精度の高い二段トスを挙げた。入団1年目から試合に出場することを目標とするのはもちろん、その後の競技人生の中で日本代表も目指していくと語った。目標とする選手を聞かれると、中大OBの石川祐希を挙げて「プレーだけではなく、チームをまとめる能力や挑戦する姿勢をリスペクトしている。何事もオールラウンダーにできる選手なので、そういう選手になりたい」と話していた。
長い腕を生かし、2023年の秋季リーグでブロック賞を獲得した山根はチームの印象について「トレーニングに力を入れていて、体の線が細い自分の今後を考えると、良い環境だと思う」。目標となる選手として、入団先の松本慶彦選手を挙げ、40歳を超えた今でも現役を続ける姿に「モチベーションやコンディショニングの整え方で尊敬できる点が多くあります」と話し、SVリーグで自分が果たせる役割を明確にイメージできていないものの、自分なりにチームの雰囲気を盛り上げていきたいとも話していた。
山﨑 「4年間は本当に短く感じた」
2mの長身を生かしミドルブロッカーとして活躍した澤田は、日本代表のBチームに選出された経歴を持つ。地元チームへの加入に喜びを口にしたうえで「日本代表も目標に海外でも活躍できるような選手を目指していきたい」と、今後の目標を語った。ブロックでの1対1の強さやスピード感のある速攻などが期待されてウルフドッグス名古屋に加入。「早く試合に出場できるよう頑張っていきたい」と述べた。
山根、澤田と同じミドルブロッカーの山﨑真裕は、中学時代にウルフドッグス名古屋のジュニアチームに在籍した経験を持ち、機動力を生かしたプレーを買われて入団が決定。チームについて、「全員が明るいというのが第一印象です。バレーのIQや技術のレベルが高いので、面白そうなチームだと思います」と、合流を心待ちにする心境を語った。後輩に向けては、「4年間は本当に短く感じた。結果も大事だと思いますが、結果だけにこだわらず、悔いのないようにプレーしてほしい」とエールを送った。
イタリアのリーグに3選手を派遣
中央大の男子バレーボール部では、「THE FUTURES」というプロジェクトのもとで、イタリアに現役選手を派遣しており、今年度に渡欧する舛本颯真(2年、鎮西)、土井柊汰(2年、東福岡)、坂本アンディ世凪(1年、東北)も会見に出席。今回は、それぞれが別々のチームで1月下旬~3月下旬まで現地に滞在するという。
冒頭、イタリア語であいさつした舛本は、2年生ながらチームの中心メンバーの1人。東日本インカレではベストスコアラー賞を受賞し、今回は2部リーグのシエナへの派遣が決まった。「海外に行くことが初めてなので不安は大きいですが、いろいろな選手や人とコミュニケーションをとって友達を50人作って帰ってきます」と冗談交じりに語りつつ、かつて同じように派遣された石川祐希が、世界の舞台で気迫や意地を見せながら活躍する姿を見て「自分もこういう選手であらないといけない」と刺激を受けたことを明かした。「コミュニケーション能力や技術は全然足りないので、イタリアで磨いてきたいです」
「これまでのバレーボール人生で経験したことがないような考え方やスキルがあると思うので、吸収して帰ってきたい」と語ったリベロの土井は、3部リーグのサンドナに合流。パリオリンピックを見て、環境が大きく変わる中でトップ選手ですら思うようなパフォーマンスを発揮できなかった点が印象に残ったという。「イタリアで環境が大きく変わる中で、どうやってパフォーマンスを管理していくのか勉強になった」と話していた。
坂本は1部のヴェローナに派遣。「めったに行ける機会ではないと思うので、間近で見て考え方をしっかりと自分のプレーに還元したい。目標とするオールラウンドなプレーが、イタリアでどこまで通用するのか、積極的にチャレンジしていきたい」と抱負を語っていた。
野沢憲治監督は、「選手としてだけではなく、人間としての成長を一番期待しています。行く前に何か必ず明確な目標を持っていくこと、あとは現地で経験するということを何よりも一つのきっかけにしてほしい」と3人の飛躍に期待を込めていた。