ラクロス

特集:第10回ラクロス全日本大学選手権

慶應女子ラクロス 、3年連続の因縁対決に決着

負けたら終わりの準決勝で先制ゴールを決めたAT西村

関東学生女子1部リーグ戦FINAL4

10月27日@駒沢オリンピック公園
慶應大9-2東海大

いよいよ関東学生リーグはFINAL4に入った。この日、女子の全国2連覇を狙う慶大(Aブロック1位)は東海大(Bブロック2位)とぶつかった。両校には、過去2年連続でリーグ戦で引き分けている因縁がある。負けたら終わりの準決勝で、「3年目の決着」をつけることになった。

前半、慶大が先にチャンスをつかんだ。ゴール付近で東海大のファウルを受けたAT西村沙和子(4年、慶應女子)がフリーシュートを得ると、持ち前のスピードで仕掛けてゴール。早々に1点を手にした慶大は、7分にMF伊藤香奈(4年、慶應女子)、12分にMF橋本ひかる(同、同)がそれぞれ追加点を挙げ、ゲームの主導権を握る。個の強さを生かした東海大の攻撃もDF陣が踏ん張って失点しない。前半の終盤は伊藤と西村の4年生コンビが連続得点し、5-0で試合を折り返した。

このままでは終われない東海大は後半開始のドローを奪うと、そのままゴールまで駆け上がり、弾丸シュートを決めた。出だしにつまずいた格好の慶大だが、選手たちは冷静だった。ダウンボールにすばやく反応し、自陣でボールキープする時間を着実に伸ばしていく。すると7分、伊藤が速攻の応酬から6点目。11分には一瞬の隙を突かれて失点するも、試合は慶大ペースのまま。ここから西村、石田百伽(4年、慶應女子)が立て続けに得点。最後は清水珠理(2年、慶應女子)が9点目を決め、3年にわたる因縁対決に終止符を打った。

慶應は勢いのつく勝ち方をした

この日からはトーナメントの一発勝負だけに、何が起こるか分からない。プレッシャーのかかる試合になるのは間違いなかった。不安も出てくる。そんなマイナスの気持ちを払拭するため、慶大の選手たちは「負ける覚悟」を持ち続けようとした。
「リードしてても、メンタル的にはビハインドの気持ちでやってました」。G大沢かおり(4年、東京学芸大付国際)がそう話すように、常に負けている状況に自分たちを置き、攻めた。その結果が9-2の大勝だ。
緊迫のゲームを終えた選手たちの表情は晴れやかで、全国制覇へ大きな手応えを受け取ったように見えた。

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