立教が2敗目、森上主将「全部負けてました」
立教が唯一無敗の早稲田に完敗し、2敗目を喫して優勝争いから脱落した。
立ち上がりが最悪だった。この日最初の攻撃シリーズはパントに。これを早稲田にブロックされ、ボールを拾われて走られ、ゴール前1ydからの攻撃権を与えてしまう。難なくタッチダウンされて0-7と先制を許した。直後のオフェンスで取り返したいところだったが、パスをインターセプトされた。
3度目のオフェンスで、ようやく立教新座高出身、自慢のRBコンビが躍動する。4年生で副将の林宗一郎と、2年生の荒竹悠大。OL5人のブロックもよく、2人が走って敵陣へ。しかし、攻めきれない。フィールドゴールでの3点にとどまった。挑戦者の立教としては、ゴール前を攻めきってタッチダウンへ持っていくアイデアがほしいところだった。
その後立教は要所で早稲田のオフェンスを止められず、第2Q終盤には林が負傷退場。荒竹が孤軍奮闘で計141ydを走り、副将でエースWRの河本航太朗(4年、日大桜丘)が8回のキャッチで99ydを稼ぐも、一つのタッチダウンしか奪えなかった。
最後尾を守る覚悟
今シーズン初戦となった第2節の慶應義塾大戦を17-3でものにした。立教が秋のリーグ戦で慶應に勝ったのは28年ぶりの出来事だった。日本のアメフトのルーツ校が躍進かと思われたが、第3節の明治大戦は0-17で敗退。この日の2敗目で優勝戦線から転げ落ちた・主将のDB森上衛(4年、関西学院)は「全部で負けてました。いろいろ準備してきましたけど、1対1の勝負で早稲田がずっと上でした」と語った。2敗して優勝がなくなったことについては「そこが目指せなくなったのは痛いですけど、上を目指すのは変わらないです。来年につなげるために、次の法政に絶対勝つ。明治と早稲田に完敗したのを忘れないで、ブレずにやっていきます」と誓った。
取材の最後、森上に「最後までがんばってな」と声をかけると、彼は「めっちゃがんばります」と言って笑った。
立教ディフェンスの最後の砦(とりで)であり続けた4年間。ポジションにつき、オフェンスの隊形を確認し、周りの選手とコミュニケーションをとったあと、森上は「はい、いこう」と声を出す。大声ではない。周りに呼びかけるでもない。そんな「はい、いこう」が彼の気持ちを高め、最後尾を守る覚悟を決めさせてくれるのだろう。関学中学部でフットボールを始めて10年目。何度「はい、いこう」と繰り返してきたことか。大学最後のリーグ戦は残り2試合。森上の「はい、いこう」を耳に焼きつけたい。