サッカー

サッカー 関大守護神が「全員サッカー」を体現

1点も許さぬ守りでチームを勝利に導いた

関西学生リーグ後期第8節

11月3日@兵庫・三木総合防災公園陸上競技場
関西大(勝ち点40) 2-0 関西学院大(41)

第3節の桃山大戦では1-4で敗れたものの、以降の甲南大戦からは4連勝と波に乗る関大。さらにライバルである関学大との戦いも制し、関大は3位をキープ。インカレ出場へ再び歩み始めた。

5連勝で首位の大体大戦へ

立ち上がりからアグレッシブに攻める関大は前半9分、うまく抜け出したMF牧野寛太(3年、履正社)のセンタリングをMF塩谷仁(4年、ジュビロ磐田ユース)がものにした。その後も相手陣でのプレーを続け、関大リードで前半を終えた。

後半、FW大久保優(3年、東山)が何度もシュートを放つも、得点には至らない。14分、今シーズン20ゴールを目標としているFW加賀山泰毅(4年、FAアカデミー福島)がペナルティエリア付近で相手DFを2人をかわし、ゴールネットを揺らした。関学は選手を代えて次々とシュートを打ち、ひやりとする場面もあったが、GK安川魁(4年、履正社)は何度もファインセーブを見せる。さらに相手のセットプレーにも反応し、最後まで関大ゴールを死守した。

DF荒木隼人主将(4年、サンフレッチェ広島ユース)は「自分たちの持っている力を発揮することができれば、どの相手にも今日くらいのプレーはできると思っている。なので、2点取れたことに驚きはない。むしろもっと点が入ってもおかしくなかった」と話し、今回の内容に手応えを感じた。

上位の勝ち点差は縮まり、ここからの一戦一戦が順位に影響してくる。次節の相手は首位の大体大。ここで勝てば、優勝の可能性も見えてくる。そのためには「相手をゼロに抑えることが重要」と荒木は言う。安定力のある守備陣を含め、安川のセービングが大体大戦の鍵を握る。

大学で知ったチーム力の大切さ

安川は高校時代に2年連続して全国選手権に出場。2年時には青森山田高とのPK戦で6人目をストップし、8強に導いた立役者になった。その後は「光ってて、推薦で入るのも難しいし、強い」とあこがれていた関大に入学。関大の応援や団結力に、ほかの大学とは違う魅力を感じていた。

3年生からトップチームのGKとして1番を背負った。「高校のときは自分がいいプレーをできれば結果は出るっていう感じだったけど、大学に入ったら自分だけじゃ難しいのでチームに支えてもらいながら」と、大学でチームの大切さを実感。昨年まではけがで戦線を離脱することが多く、インカレの舞台にも立てなかった。昨年のインカレ準々決勝の順大戦では、PK戦で勝利をつかみ取ったGK白澤慶志郎を見て、全国の舞台で輝くGKの姿に刺激を受けた。

チームメートからは「1対1に強い」「安定したセービング」と信頼を得ているものの、「自分はそんなにうまくないんで、声を出してひた向きに」と一歩引く。試合中は、いつでもピッチに安川の声が響き、チームを鼓舞する。「出させてもらってる立場なので、キーパーだけじゃなくて関大全員の思いを背負って戦う」と、ラストイヤーに懸ける思いを力強く語った。

関大が掲げる「全員サッカーで日本一」を果たすためには、安川の存在は不可欠だ。全国の舞台で仲間たちと最高の瞬間を味わうために、関大のゴールを守り続ける。

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