野球

特集:第49回 明治神宮野球大会

さあ開幕 明治神宮大会を彩る好選手たち

立正大・木下の捕手としての落ち着きは、元捕手のスカウトらからも評価が高い

11月9日に神宮球場で第49回明治神宮野球大会が開幕。今回はその出場校の中から注目選手を一挙に紹介する。

法大と立正大は地の利+戦力充実

東京六大学野球連盟代表の法政大と東都大学野球連盟代表の立正大は、両連盟ともリーグ戦と同じ球場で戦える地の利に加え、戦力の充実が際立つ。

法大の投手では昨年の侍ジャパンU-18代表の三浦銀二(1年、福岡大大濠)がエース格となり、しっかりと試合をつくって打線にもいい流れを与えている。打線は宇草孔基(3年、常総学院)と小林満平(4年、中京大中京)の1、2番コンビが出塁し、向山基生(4年、法政二)と中山翔太(4年、履正社/ヤクルト、ドラフト2位指名)の3、4番コンビで返す。下位打線や控え投手陣の層も厚く、2009年の全日本大学選手権で富士大を準優勝に導いた経験のある青木久典監督のトーナメントでの采配にも注目だ。

東都を開幕3連敗からの大逆転で制した立正大は強力打線が武器。ともにドラフト指名を受けた小郷裕哉(おごう、4年、関西/楽天7位指名)と伊藤裕季也(4年、日大三/DeNA2位指名)の3、4番が引っ張る。投手陣は大黒柱こそいないが、こちらも、シダックス時代に野村克也監督のもとで豊富な経験を積んできた坂田精二郎監督の采配に期待したい。

そして目立つわけではないが、法大は中村浩人(4年、多良木)、立正は木下朗(4年、戸塚)の両捕手は視野が広く、打順も5番と主軸にいるため、攻守で大きなカギを握りそうだ。

九共大にはドラフト指名の投手がふたり

九州共立大は昨年の準々決勝で、優勝した日本体育大に延長タイブレークの末に敗れた。この試合で登板し、今秋ドラフト指名を受けた2投手が雪辱を期す。右の本格派、島内颯太郎(4年、光陵/広島2位指名)は5回を投げて被安打1、1失点と好投していたが、1点ビハインドの状況だったため6回表の打順で代打を送られた。左の技巧派の久保拓眞(4年、自由ヶ丘/ヤクルト7位指名)は7回途中から登板し、好投だったが、延長で押し出しと走者一掃のタイムリーを浴びて降板。両投手を中心に初戦で立正大に勝てれば波に乗りそうだ。

九共大の島内は最速152kmのストレートと縦に落ちる変化球が武器

東日本国際大はエース右腕の船迫大雅(4年、聖光学院)、マウンドさばきのいい左の佐々木大輔(2年、山村学園)、右サイドハンドの粟津凱士(4年、山本学園/西武4位指名)とタイプの異なる投手陣で、春の東北福祉大に続く東北勢の日本一を狙う。

創価大は杉山晃基(盛岡大附)、小孫竜二(遊学館)、望月大希(市立船橋)の3年生ドラフト候補投手トリオに注目。また関東代表決定戦4試合で8安打、3本塁打を放った右の強打者、山形堅心(3年、明徳義塾)を中心とした打線も、不調だったリーグ戦が嘘だったかのように上り調子で、期待は高い。

創価大の杉山は最速154kmのストレートを投げる

近大には最速152kmと大型スラッガー

関西第1代表の座を掴んだ近畿大は右のサイドハンドで最速152kmの村西良太(3年、津名)、今夏の侍ジャパン大学代表に選出された大型スラッガー佐藤輝明(2年、仁川学院)は全国区の知名度を獲得すべく、今大会を大きなステップにしてほしい。

3大会連続で初戦を突破している環太平洋大は、昨年の初戦で右のエース西山雅貴(3年、岡山理科大付)が慶應大打線を6回被安打2、無失点で切り抜け、金星の立役者となった。彼は今年も健在で、打線は岡田拓己(4年、岡山東商)ら粒ぞろい。過去最高の決勝進出とその先を狙う。

他にも昨年準優勝の星槎道都大を破って出場する函館大、投手力を中心にチーム力が高い筑波大、中部学院大、関西国際大が快進撃を虎視眈々と狙っている。

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