ラグビー 同志社、大学選手権へ望みつなぐ
秋とは思えない暖かさに、雲ひとつない青空が見下ろす鶴見緑地球技場。同志社は47-26で近大に勝利。晴れ晴れとした表情で試合を終えた。
フィジカルで戦って着実にトライ
同志社は試合早々、自陣でラックを組み攻撃を始めようとするが、ターンオーバーされ相手ボールとなる。自陣でのディフェンスという厳しい立ち上がりになるが、粘り強いディフェンスを繰り返し、突破を許さない。前半6分、キックでスペースを獲得した同志社は、相手ミスによりラインアウトを得る。難なくボールを出しサイドに展開。ボールを受けた野中翔伍(4年、筑紫)がハンドオフで突破し、中央でラックを組む。ボールを回し、平澤輝龍(3年、前橋育英)が潰れたところに中尾泰星(2年、大分舞鶴)がフォロー。そのまま中央を突破しトライ。キックも成功し、7-0と先制した。
しかし前半10分には失点。右サイドに展開され、数的同等でディフェンスするも、タックルがはまらず、サイドに余った近大の14番がゲイン。一度は突破を止めるも、ボールを回され、ラインを破られトライ。7-7となり早くも追いつかれてしまう。
何とか突き放しておきたい同志社。両者譲らない展開が続いていた17分。近大のキックミスから相手陣地でラインアウトを得る。ボールを受けた古城隼人(3年、修猷館)が中央で1人かわし、フォローに入ったのはファイアラガ(2年、常翔学園)。相手につかまれながらも押し切りトライ。14-7。関西リーグ初先発となったファイアラガが待望のトライを決める。さらに35分に近大のノットロールアウェイからラインアウトを獲得。モールで押し切り、平川隼也(4年、長崎北陽台)がトライ。19-7として前半を終える。
後半が始まっても同志社は流れを渡さなかった。キックオフのボールを近大がノックオン。ボールを取った松野泰樹(3年、筑紫)が、サイドにパス。最後にパスを受けたファイアラガが相手ラインを突破。そのまま独走しトライし26-7に。
後半2分には相手ラインアウトからモールで押し込まれ、トライを決められるも、同志社の攻撃は終わらなかった。11分には自陣ラインアウトからモールで相手陣地まで押し込み、左サイドへ展開。ラックから右サイドにボールを回し、松野のノールックパスを永富晨太郎(4年、東福岡)が受けた。そのままフェイントで相手をかわし、中央でトライを決めた。22分にも平澤の裏へのパスから、ステップで相手を振り切りトライ。
40-19で同志社はさらに中尾のトライで追加点。後半終了間際に自陣での相手ラインアウトからラックを重ねられ、トライを決められたが結果は47-26。終始危なげない試合展開だった。
大体大戦も「フィジカルで負けないように」
試合後、萩井好次監督は「近大さんの強い接点になかなかいい展開に持ち込めなかったので、結構ハードな試合だったとは思うんですが、我慢強くアタックもディフェンスもし続けてくれたので少しずつ点差が離れていったのかなと思います。メンタル的な部分では負けているときも選手たちはやることをやってくれているので、残り2試合しっかりやるだけです」と話した。次節の大体大戦に向け、主将の山口修平(4年、同志社香里)は「フィジカルで戦ってくるチームなので、そこはフィジカルで負けないように今週一週間やっていきます」と闘志を燃やす。
関西リーグも残り2試合となった。11月11日現在、大学選手権出場の可能性はまだ消えてはいない。山口は「周りの結果はコントールできないので、自分たちのできることをもう一回やっていこう」とチームを鼓舞する。けがによる主力選手の離脱もあるなか、ファイアラガなどの期待の選手たちが活躍を見せている。残りの試合も、選手たちの温かな笑顔が見られるようなものにしてほしい。長い冬が訪れないよう、熱い試合を来週も期待したい。