ラグビー 関大、関学へのリベンジならず4敗目
関大はここまで天理大、京産大、立命大に負け、大学選手権出場のためには、もう負けられないところへ追い込まれた。この日の相手は関学。ラグビー部のみならず、関大体育会“KAISERS”としての最大のライバルだ。
春にあらゆるスポーツでぶつかる総合関関戦は、全競技の成績を合計して総合優勝が決まる。今年は10年ぶりに関大が栄冠をつかんだ。ラグビーは惜敗。前半はリードしていたものの、後半に失速し、ノーサイド直前に逆転負けを喫した。そのため「リベンジがかかってる。勝ちたい」。前節の試合後、関大を率いるフッカーの西勇樹主将(4年、常翔啓光学園)はそう語った。最大の宿敵との試合であり、全国舞台への希望をつなぐ試合でもある。二重の意味で、関大にとって絶対に負けられない戦いになった。
主力の復活で迎えた関関戦
関大のキーマンが帰ってきた。第2節のけがで戦列を離れていたSH木下皓太(4年、天理)の復帰だった。試合では的確なパス回しと判断力でチームに貢献していた。そして、同じくけがで長期にわたる離脱を余儀なくされていた神野心(4年、尾道)もフランカーとして、その日のスタメンに名を連ねた。今年は主力メンバーの負傷が多く、苦しい試合が続いたが徐々に復帰し始めていた。
キックオフを告げるホイッスルが鳴った。関大は前節の立命戦とは異なり、セットプレーでゲームの流れを切り、じわじわと攻めていくプランを練っていた。「関学さんは走る量がすごく多い。同じようにやったら不利になる」と主将の西。前半は計画通り、ペナルティーを誘い込んでは、スクラムやラインアウトからゲインを重ねた。10分すぎ、相手ゴール前のモールやラックで攻防があった。トライまであと少し。「誰がヒーローになるんや!!」。観客席からは選手たちを鼓舞する野太い声。インゴールに楕円球を運び込んだヒーローは、SO渡辺裕介(4年、東海大仰星)だった。大きな先制点を奪った関大は、その後もアタックとディフェンスの歯車がかみ合ったラグビーを展開していった。スクラムでは相手の反則を誘発し、キックを選択してラインアウトへと持ち込んだ。1トライを返されたが、前半29分には木下がインゴールに飛び込み、10-5とリードして折り返した。
後半もこの勢いで、とはいかなかった。「簡単なミスやタックルミス。前半はほとんどなかったけど、後半になったらポツポツ出てきました」と西。徐々にプレーにも粗さが目立っていった。だが、選手たちは「絶対にやりかえす」と最後まで1トライにどん欲になり、前へ前へと向かった。しかし、後半は無得点。逆に12失点し、10-17でノーサイドを迎えた。
残すは大体大、近大、同大との3戦になった。関学に春のリベンジを果たせず、勝ち星はゼロのまま。だが、この日も前半はリードした。徐々にいい流れはつかみつつある。西は「あと3戦、本当に落とせない試合が続く」と話した。意地のみせどころだ。