関学、挑戦者魂で慶應に立ち向かえ
今週末の25日に迫った全日本大学選手権決勝。2年ぶりに関西女王となった関学は、昨年の覇者、慶大と対戦する。
準決勝の福岡大戦で、二つの強さが垣間見えた。一つは高い技術力だ。今シーズンはトレーニングでフィジカルを強化。関学が得意としている1on1(1対1)に加えて、プレーの幅を広げた。準決勝ではDF杉本知佳(4年、鳴尾)とMF吉田陽(3年、豊中)を中心に、ボールを奪われてもすぐに奪い返す積極的なディフェンスが機能。攻撃につなげた。
二つ目は全員で戦う「チーム力」だ。試合前のアップから、「関学ファイト!」の声が何度も飛ぶ。主将の長村由紀乃(4年、啓明学院)はBチームにいた期間が長く、昨年の関西リーグ戦はスタンドで応援していた。「去年、スタンドで無力さを痛感しました。そんな自分だからこそ、このチームを日本一の組織にしたい」。長村の思いに押され、全員が「自分が勝たせる」という意識を持つチームになった。
関学は今シーズン「Go Beyond~挑戦者であれ~」というスローガンを掲げ、学年の壁を越えることを唱え続けた。スター選手がいないから、全員が伸びないと日本一にはなれない。その思いで戦ってきた。準決勝で戦った福岡大の雰囲気づくりにも学び、スタンドがフィールドを盛り上げるチームを意識する。日本一になって、駒沢で歓喜のハドルを組むことがチームの夢だ。
慶大は個人技が高く、強気で挑んでくるチーム。「下級生とともに、この1年を乗り越えてきました。部員全員が日本一だと証明したい」と長村は言いきる。目指し続けた日本一へ。KGの挑戦者たちが、運命の決戦に挑む。