ラクロス

特集:第10回ラクロス全日本大学選手権

ラクロス 関学MF脇田「チーム」に目覚め、狙う日本一

2年ぶりの関西制覇の立役者となった関学MF脇田(中央の55番)

関西学生女子1部リーグ戦ファイナル4決勝

11月3日@ヤンマーフィールド長居

関西学院大 8-4 同志社大

関学のMF脇田優芽(4年、宝塚西)が、同大とのファイナル4決勝でハットトリックを達成し、2年ぶりの関西制覇の立役者となった。「同志社は練習試合でも競(せ)ってた相手だから、正直不安もあった。でも、勝ててホッとしてます」。リーグ戦では同大に10-5で勝っていた。だが、あのときは前日の雨で地面がぬかるんでいた。お互いが実力を発揮できないままだった。最終決戦。本気でぶつかりあった。そこで関学は、リーグ戦無敗の圧倒的な強さを見せつけた。

ゴーリーとの特訓が勝利へ繋げた。前半15分、脇田は得意の1on1で勝負。ゴール正面からまっすぐにクロスを振り下ろす。勢いを乗せたランニングシュートが決まった。4点リードで後半へ。5分と23分にも練習の成果を発揮した。「いままでゴーリーがわざと空けてた罠にはまって、止められてたんです。徳ちゃん(G徳山未怜=4年、プール学院)が怒ってくれて、特訓してくれました」。目線はゴーリーが大きく空けている方に向け、クロスを逆サイドのわずかな隙間めがけて振った。ネットを何度も揺らした。ゴーリーとの心理戦を制したのは脇田だった。

ハットトリックを達成した脇田(中央・右)

自分の情けなさ、知って変わった

脇田には、素直にラクロスと向き合えなかった時期があった。2年のときからAチーム入り。だが、フィールドに出ることはなかった。「ずっとベンチには入ってたんです。でも去年もプレーできなくて、ふてくされてました」。この2年間、自分がうまくなることだけを考えていた。チームの一員であることを忘れていた。ふと周りを見たときに、ギャップを感じた。チームの一人ひとりが役割をまっとうしている姿を見て、我に返った。組織力を重視している関学ラクロス部の選手として、ありえないことだった。「情けない。日本一をとるために、自分にできることは何だろう」。脇田は心を入れ替え、本気になった。対戦相手の対策を考えるときは、相手選手になりきった。誰より声を出し、練習の雰囲気を盛り上げた。

練習前後には、ポジションリーダーのところへ行った。その日の練習で意識することを伝え、練習後に意見を求めた。「毎日アピールしてました。それだけじゃなくて、客観的な意見をもらうことで改善しやすくなりました」。指摘されたこと、見つけた反省点は自主練習で試した。壁に向かってひたすら打つ。改善したところを、また見てもらう。これを繰り返すことで技術面が向上した。「自分が全力でプレーすることで、周りにもいい影響を与えたかった」。わがまま娘は、チームをまとめる立派な戦力へと変貌(へんぼう)した。

心を入れ替え、チームをまとめるまでになった

ラクロスと出会い、人生が変わった。「応援される選手になるためには、プレーが上手なだけじゃだめ」と気づけた。
2年前に日本一のチームが、昨年は関西の準決勝で敗退。誰も予想していなかった事態に動揺を隠せなかった。関学ラクロス部女子は、そこから再出発した。いざ、全日本大学選手権。「ここからは全力で走りきった人が勝つ。強気で決勝まで勝ち上がりたい」。2年前に見た景色をもう一度。脇田の全力プレーは、全国の舞台でも必ず光る。

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