関学の「青の三銃士」躍動せよ
約束の地へ必ず戻る。12月2日の西日本代表決定戦は、関西学生リーグ最終戦の相手、立命館大との再戦となった。甲子園ボウルを懸けた大一番。関西王者の関学はリーグ戦から2週間の準備期間を得た。
主将の光藤航哉(みつどう、4年、同志社国際)は「ミーティングで課題を詰めたり、体のコンディションを整えました。昨年よりやってることは濃いです」。昨年とは違う決定戦までの2週間を過ごした。昨年は関西2位からの下剋上で甲子園ボウルに出場したが、日大に敗れた。今年は日大へのリベンジはできないが、聖地で勝つためには、もう一度立命に勝たねばならない。
「青の三銃士」が鍵を握る。攻撃を率いる3人のQBだ。2年生エースの奥野耕世(関西学院)、WRもRBもできる「何でも屋」西野航輝(4年、箕面自由学園)、そして主将でサウスポーの光藤だ。前回の対戦では3人で強力な立命ディフェンスを幻惑。3人が入れ替わり立ち替わりに出場した第2Q最初の攻撃シリーズでは、最後に奥野がWR阿部拓朗(3年、池田)へ19ydのタッチダウン(TD)パスを通した。3人の併用が機能した瞬間だった。中でも西野が担う役割は大きい。オフェンスでOL以外のポジションをすべてこなせる「何でも屋」は、相手の脅威となる。前回の立命戦でも奥野からハンドオフを受け、右オープンを駆け抜けた。パートリーダーでもある西野は「3人が力以上のものを出して、オフェンスを引っ張りたい」と意気込む。
決戦前の記者会見で、60歳になったばかりの鳥内秀晃監督はこう言った。「総力戦になる。相手も相当気持ちが入ってる。このチームはこれで終わりかもしれん。そのことをどんだけ思えるかや」。光藤は「地に足をつけてやるべきことをやるだけ」と、これまで以上に顔を引き締める。関学と立命。前回は31-7の大差がついたが、実力に差はない。やはり先制点が勝利の鍵になる。部歌『FIGHT ON』を歌いあげ、最大の決戦へ臨む。