サッカー

特集:第67回全日本大学サッカー選手権

「ジャイキリ」から1年、無冠で終わった筑波大

「ジャイキリ」から1年、無冠で終わった筑波大
犬飼(左)は来シーズンもFWの軸として期待

全日本大学選手権

12月15日@千葉・柏の葉公園総合競技場
2回戦 筑波大 4-1 仙台大
12月17日@同
準々決勝 駒澤大 2-1 筑波大

Jクラブを立て続けに破り、世間を沸かせた「ジャイアントキリング」から1年。筑波大の今シーズンは絶不調のスタートとなり、2年ぶりの優勝を目指したインカレではベスト8止まり。さまざまな課題が浮き彫りになった。

大事な局面で決定力不足

シーズン序盤から不振にあえぎ、攻守ともに戦い方がはっきりせずに苦しんだ。リーグ戦の前期を終えた時点で4勝3敗4分。夏にチーム全体でミーティングを重ねたことで守備が改善され、11勝5敗6分のリーグ戦2位でインカレに進んだ。

初戦の相手は、東北リーグ戦を無敗で制した仙台大だった。筑波大はMF三笘薫(みとま、3年、川崎U-18)らが躍動。前半だけで3点を奪うなど圧倒的な攻撃力を見せ、4-1で勝利した。一方で後半は相手にペースを握られ、一瞬の隙をつかれての失点など、不安要素も露呈した。「スコアほどの快勝ではなかった」と小井土監督は試合を振り返った。

準々決勝の相手は、関東リーグ最終戦で惜敗した駒大だった。競り合いに強く、縦に鋭く攻撃をしかける駒大にどう対応するか、注目された。

試合は前半から激しい攻防となった。開始早々、GKのロングボールから立て続けにシュートを打たれるも、ディフェンスが必死に体を張ってゴールを許さなかった。筑波大もMF西澤健太(4年、清水ユース)がドリブルで中央突破し、ペナルティーエリア外からミドルシュート。これは枠を外れた。そのあとも互いに一歩も引かない展開が続いた。前半終了間際、MF知久航介(ちく、2年、國學院久我山)がファーサイドにクロス。それをDF会津雄生(4年、柏U-18)が中央へ。これに三笘が合わせたが、ポストを直撃。双方無得点のまま前半を終えた。

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山原は1年ながら主力として攻守に活躍

後半も拮抗する中、DF山原怜音(れおん、1年、JFAアカデミー福島)が右サイドを抜け出した。中央のFW犬飼翔洋(3年、中京大中京)がクロスを受け、シュート。ネットを揺らしたが、オフサイドの判定。後半20分、筑波大は左サイドを崩され、駒大のMF坂本和雅(4年、聖和学園)に先制点を奪われた。

追う筑波大は30分、西澤が左CKから正確なボールを上げ、ゴール前の混戦を犬飼が制して同点ゴール。今シーズン開幕当初は3部チームに属していた犬飼が、ここに来て値千金のゴールを決めた。その直後のプレーで筑波大DF鈴木大誠(4年、星稜)のバックパスが短くなり、GK阿部航斗(3年、新潟U-18)がクリア。スローインから駒大の坂本が中央突破し、逆転シュートを決めた。

あとがなくなった筑波大はFW窪田翔(2年、暁星)や正確なクロスが武器のDF加藤潤(3年、新潟明訓)らを投入。パワープレーしかけたが、ゴールを割れず試合終了となった。小井土正亮監督は試合を振り返り、「鈴木のバックパスを見たとき、嫌な空気を感じた」とコメント。筑波大は無冠でシーズンを終えた。

守りがいいだけでは勝てない

今シーズンの筑波大は、重要な試合で勝ちきれなかった。天皇杯予選決勝の流経大ドラゴンズ龍ケ崎戦では延長戦の末に敗れ、昨年「ジャイキリ」旋風を起こした天皇杯本戦への出場は叶わなかった。夏のアミノバイタルカップは初戦敗退に終わり、総理大臣杯も出場できず。勝てば関東リーグ戦優勝が見えた早大戦ではスコアレスドローに終わった。中野誠也(現ジュビロ磐田)や戸嶋祥郎(現アルビレックス新潟)らを中心にリーグ戦最多勝利を記録した昨シーズンの攻撃力は、影を潜めた。

身体能力では勝っている相手に球際の攻防戦で競り負けるなど、技術以外の課題もはっきりした。小井土監督は「駒大には完全に総合力で負けました。その事実を受け止めなければなりません」と振り返る。筑波大は堅実な守備から試合を展開するが、守備だけでは試合に勝てない。今後は三笘や犬飼が新たな攻撃の軸として、一皮むけたプレーが求められる。引退する西澤らの穴も埋めなければならない。三笘は「自分たちの弱さが露呈しました。一人ひとりが個人技を磨き、もっと強くなって来年再び日本一に挑戦したいです」と強く誓った。

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