サッカー

特集:第67回全日本大学サッカー選手権

原動力にあふれたチーム、関学主将の涙

法大に敗れ、藤原(中央)も涙を堪えられなかった

全日本大学選手権

12月17日@千葉・浦安市運動公園陸上競技場
準々決勝 関西学院大1-3 法政大

日本一だけを目指した戦いは、ベスト8で幕を下ろした。うつむいて涙を流す選手たちに対し、「お前らよく頑張ったぞ! 前を向けよ! 」と応援団がたたえた。「勝ってもっとみんなを喜ばせたかった。申し訳ない」。主将のFW藤原樹(4年、市西宮)もあふれる涙を堪えられなかった。関学はインカレ準々決勝で法大に1-3で敗れた。日本一は想像以上に高い壁だった。

シーズン初の全国舞台は力負け

少しの差が命運を分ける全国の舞台。関学は前半21分に失点したが、44分には1回生のMF安羅修雅(履正社)が同点弾。相手の流れを食い止め、前半を折り返した。後半21分、藤原が頭からボールに飛び込むも、得点ならず。絶好のチャンスを逃すと、その3分後に失点。さらに40分にも追加点を奪われた。最後まで必死であがいたが、勝利の女神は関学には振り向かなかった。

安羅のシュートで同点に追いついた

関学は最後まで持ち味の粘り強さで戦い抜いたが、経験不足が痛手となった。関西選手権では阪南大に敗れてベスト8。総理大臣杯出場を逃した関学にとって、インカレは今シーズン初の全国大会だった。ほぼ情報がない相手との試合の中で効果的な戦い方を見出し、実行していくスタイルを貫いた。初戦の東洋大戦では延長戦を制し、逆転勝利。しかし続く法大戦では数々のビッグゲームに勝ってきた猛者揃いの強豪校に力負けした。

最後の大舞台に立った粟田

「共に闘う人の原動力であり続ける」を掲げた1年。「くじけそうになったり、心が折れそうになったしたときに、『それでも頑張るんだ』と思わせてくれる。チームはそんな小さな原動力にあふれてました」と藤原は振り返る。

最後にこの「原動力」の言葉を全国の舞台で体現した男がいた。DF粟田華典(4年、槻の木)だ。粟田はラストイヤーになる今春もCチームからスタート。だが、「ひたすら勝利にこだわり続けよう」と、下位カテゴリーが出場するIリーグで敗退後も、努力を怠らなかった。その姿勢が買われ、12月2日にAチームへ昇格。インカレでは自身初の全国の舞台でスタメンの座を獲得した。「当初『原動力』はただの言葉にすぎなかった。でも、この1年間で多くのストーリーがこの言葉とリンクして、僕たちにとって大切な言葉になりました」と粟田。言葉が一人ひとりの物語を描いた。

仲間の応援を力に変えて戦った

天皇杯2回戦ではJ1ガンバ大阪を撃破。関西リーグ戦では、春には勝ち点で7差あった大体大に1差まで迫る成長を遂げた。本気で原動力になりたくて、本気で勝ちたいと思っていたメンバーが、どんどん自己改革に取り組み、見違える成長を果たしていった。それでもタイトルには手が届かなかった。「常に『何のために? 』を明確にして、結果が出るまで質の高い試行錯誤を繰り返してほしい」。藤原はともに戦ってきた後輩たちに夢を託した。

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