関学バスケ・小西聖也、楽しみな最強ルーキー
関西学院大学男子バスケットボール部に、とんでもないルーキーが現れた。小西聖也(洛南)だ。ボールを持つと、誰もその勢いを止められない。相手ディフェンスを素早くかわし、ゴール下に飛び込んでいく。迫力のあるシュートを放つと、会場の視線は小西に釘付けとなる。1回生らしからぬ堂々たるプレーで、昨秋のリーグ戦では毎試合チーム1、2を争う得点を挙げた。「いつも積極的に点をとりにいって、相手のエースを止めてやろうと思ってます」。早くも大物の風格が漂う。
入学早々から大活躍
昨年5月にあった全関西学生選手権の天理大戦。小西は4点ビハインドで迎えた第2クオータ―(Q)の開始約20秒で得点。その後も得意のドライブから立て続けにシュートを決め、リズムをつくった。「先輩が『ミスしてもいい』って言ってくれたので、思い切りできました」と小西。積極的なプレーでチームの勝利に貢献した。
チームにとって完全無欠な存在なのは、昨秋のリーグ第10戦(流通科学大戦)でマークした個人成績からも分かる。ツーポイントシュートの試投数(19本)と成功数(10本)、さらに、リバウンド合計数(13本)、アシスト数(5本)、スティール数(4本)で、いずれもチームトップの数字をたたき出した。主将の高山寛史(4年、小林)は言った。「小西は試合のリズムをつくれる。欠点はないです」。学生コーチの一人も「すごい、のひとこと。これからもチームのキーマンになると思います」と、大きな期待を寄せた。
ムダな上下関係のない関学で躍動
小西は中学時代、大阪選抜の一員として全国優勝を経験。名門の洛南高校時代も、国体での優勝やウィンターカップのベスト16入りなど、輝かしい成績を残した。「大舞台に慣れてるから、プレッシャーは感じません」。確固たる自信があるからこそ、大学でもすぐに大暴れできた。
試合中、小西はチームメイトへの声かけを絶やさない。先輩に対しても思うことがあれば指摘し、ゲームメイクする。「先輩が優しく受け入れてくれるので、のびのびプレーできます。試合に出させてもらってる分、期待に応えたいです」。学年に関係なく本音で言い合える関学のチームの雰囲気が、小西に力を与えている。
小西はすでにチームの主軸だ。昨年4月の関関同立四私大定期戦で初めて試合に出たあと、ほとんどの試合で輝きを放っている。12月のインカレ初戦でもチーム2位の12得点。前年度優勝の大東大に敗れたが、全国舞台でも存在感を示した。今後について問うと「先輩任せにしすぎるところがある。ミスしても、すぐに切り替えられるようになりたいです」と返した。向上心は止まらない。大学生活はあと3年ある。最強ルーキーがどんなパフォーマンスを見せていくのか、楽しみだ。