5年ぶりインカレV、東海大を支えたルーキー大倉颯太・八村阿蓮
インカレ男子決勝の大舞台を、東海大のルーキーコンビが沸かせた。2人で計30得点。5年ぶりの優勝の原動力となった。
司令塔の大倉颯太(北陸学院)とインサイドに陣取る八村阿蓮(あれん、明成)は、ともに1年生ながら先発入り。序盤から存在感を示していたが、圧巻だったのは後半だ。
東海大が42-28とリードして始まった第3クオーター(Q)、専大の西野曜(2年、近大付)の連続得点などで急速に追い上げられると、大倉がギアを上げた。自ら果敢にゴール下へ切り込み、ファウルをもらいながら得点。ブザービーターでスリーポイントも決め、流れを譲らなかった。
第4Qには八村が、NCAA1部のゴンザガ大で活躍する兄の塁に負けない身体能力の高さを披露した。専大のポイントゲッターである身長197cmの外国人留学生アブ・フィリップ(3年、アレセイア湘南)をブロックして会場をどよめかせると、オフェンスでは大倉との華麗なコンビネーションで追加点。オフェンスリバウンドでも身体を張ってチャンスを広げた。
偉業「インカレ4連覇」を目指して
実はこの二人、中学時代の北信越選抜や16歳以下の日本代表でともに戦った経験があり、入学前から気心の知れた仲。コート内でも息はぴったりで、大倉が「僕らはコンビネーションが一番の武器」と言えば、八村も「お互いにリスペクトしてるし、二人でプレーを作るのが楽しい」と話す。
東海大の陸川章監督は「二人とも高校時代から実績を作ってきた選手だし、能力も経験もある」としつつ、「上級生たちがチームになじむようにまとめてくれて、二人ものびのびプレーできたんだと思う。まだまだ伸ばせる部分がたくさんある」と期待を寄せる。
そんなゴールデンルーキーたちの目標が「インカレ4連覇」だ。これまで日体大(1996~99年)による一度しか成し遂げられていない偉業で、東海大は2連覇が最高となっている。
大倉は「簡単じゃないのは分かってるけど、陸さん(陸川監督)のバスケットを自分たちがもっと表現できるようになることで、いい結果にもつながっていくと思う」。NBA入りも話題になる兄の活躍に刺激を受ける八村は「塁に負けてられない気持ちはある。努力の量では自分も負けられない。塁も応援してくれてるので、成長した姿を見せたいです」と前を見た。
大学バスケット界に新たな1ページを刻めるか。このコンビから目が離せない。