バスケ

特集:第70回全日本大学バスケ選手権

同志社、4年ぶりの夢舞台に散る

後半へ気合を入れる同志社の選手たち(撮影・2年岡本莉奈)

全日本大学選手権第1日

12月10日@東京・大田区総合体育館
男子1回戦 専修大 71-33 同志社大

4年ぶりのインカレ。同志社の1回戦の相手は関東3位の専修大。今シーズン戦った中で最大の強敵が立ちはだかった。目指していた舞台での戦いは、あっけなく終わった。

初めて知ったインカレの手強さ

同志社は序盤からペースをつかめなかった。アウトサイドのシュートはリングに嫌われ、突破を試みても、相手の高さの前にシュートまで持っていけない。第1クオーター(Q)は3-14で終えた。第2Q序盤、同じようにシュートの入らない展開が続き、一時は20点以上の差をつけられた。終盤、高木伸久(4年、光泉)のスリーポイントと北方祐也(1年、北陸学院)のブレイクでわずかに取り返し、12-30で前半を終えた。

第3Q序盤は同志社が攻撃のリズムをつかんだ。ボールムーブからの合わせで、田邉陸也(3年、洛南)と野見悠人(4年、大阪桐蔭)が得点を重ねた。守備では相手のアウトサイドの不調を読み取り、ゾーンディフェンスで得点のペースを抑えるのに成功。反撃を狙った矢先、相手のアウトサイドシュートが入り始めた。攻めてもタフショットを強いられ、点を重ねられない。同志社は状況を大きく打開できず、33-71で敗れた。

第3Q、田邉(中央)の得点でチームが勢いづいた(撮影・2年岡本莉奈)

「全員インカレが初めてということもあって、緊張や気合の空回りがありました」。主将の右田卓也(4年、九州学院)はこう振り返った。相手の高さはもちろんあったが、緊張からの動きの堅さも目立った。フィールドゴールが50本中10本しか成功しなかった現実が、すべてを物語っていた。

「自分たちの勝ち方」を求めて

ここまでの道のりは多難だった。ここ数年、関西で勝てない状況が続いた。2年前には2勝しかできずに2部へ自動降格。悔しさを糧に昨年、入れ替え戦で大経大に勝ち、1部へと戻ってきた。この苦しい時期を経験した選手たちが今シーズンの主力だった。

今シーズンはインカレ出場を目標としていた。4月の関西選手権、6月の西日本選手権はともにベスト16で敗退。8月の練習試合では2部校に連敗するなど、苦しい状況が続いた。インカレをかけた秋のリーグ戦。4年ぶりに初戦で勝つと状況が一変。「チームに勢いが増して、自分たちの勝ち方が分かりました」と、古村健一(3年、北陸学院)は言う。関西の強豪を次々と撃破し、関西4位でインカレへの切符をつかんだ。

右田(手前左)ら4回生は、2部降格の苦しみも1部昇格も喜びも知った(撮影・2年岡本莉奈)

4回生にとって最初で最後のインカレは幕を閉じた。悔いの残る選手、やりきった選手……。もちろん心境はそれぞれに違う。しかし、思いだけは一緒だった。「この経験を生かして、自分たちの代以上のチームをつくってほしい」。その思いは後輩へと受け継がれた。

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