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特集:第70回全日本大学バスケ選手権

筑波大、3年生コンビが見すえる1年後とは

牧は1年を通じてリーダーシップを発揮した

東海大に完敗、インカレ4位

12月6日まで開催されたインカレで筑波大は4位に終わった。昨年は杉浦佑成(サンロッカーズ渋谷)を擁しながら惜しくも4連覇を逃し、今年こそと挑んだ大会。準々決勝の青山学院大戦までは接戦を勝ち上がったが、準決勝で優勝校の東海大に完敗した。

圧倒的な選手層の厚さを誇る東海大との実力差はあったが、主軸の牧隼利(3年、福岡大大濠)と増田啓介(同、同)が本領を発揮できなかったことも敗因の1つだ。牧は「4年生を勝たせられず、力不足を痛感した」と話す。

前半は出場選手がバランスよく得点した筑波大が28-24とわずかにリード。だが、後半に入ると東海大の八村阿蓮(1年、明成)にゴール下を支配されて劣勢に。一方で筑波大は得点源の牧と増田が徹底マークを受け、得点を伸ばせなかった。「調子が悪く、チームに貢献できなかった。マークは受けましたけど、それ以上に自分の力不足を感じました」と増田。第4ピリオドでも八村や大倉颯太(1年、北陸学院)を中心とした東海大の攻撃を止められず、59-75で準決勝敗退となった。

事実上のキャプテン

インカレ4位という成績で今シーズンを終えた筑波大。この1年を振り返ると、春の関東大学選手権で連覇を果たし、リーグ戦では後半に調子を上げて4位に入った。最大の目標としていたインカレでの王座奪還は果たせなかったが、1年を通じて地力の高さは示した。度重なるけがで完全復帰を果たせなかった主将の波多智也(4年、正智深谷)らの故障者が続出し、常に万全とは言えないチーム状況だったが、最後まで戦い抜いた。

1年間チームを支えたのはやはり牧と増田だ。インカレでは調子が上がり切らずに「力不足」と口をそろえたが、それも中心選手としての自覚がある証拠だ。吉田健司監督も「順調にチームの主軸として成長してますね」と評価する。

牧は3年生ながら、1年を通してリーダーシップを発揮し続けた。リーグ戦途中に主将の波多が怪我で離脱すると、事実上の主将に。試合中だけでなく練習でも先頭に立ち、チームを引っ張った。「波多さんがいなくなって、自分がやらないといけないって強く感じました。試合や練習中の声かけなど、基本の部分を欠かさないようにしてます」と語る。

意識の変化はプレーにも現れ、リーグ戦後半からインカレにかけて要所で得点するシーンが増えた。「リーダーシップをとることが、牧らしい勝負強いプレーにつながってます」と吉田監督。また、主将の波多も「言葉と行動すべてでチームを引っ張っていってます。勝利への意志は誰よりも強く、それがほかの選手に伝わった」と、牧のリーダーシップを評価した。

リーグの得点王になった増田

増田は昨年も得点源として活躍したが、絶対的なエースだった杉浦が抜けた今年は「エースとしての自覚を持ちたい」と、得点への強い欲求を持って臨んだ。リーグ戦では全22試合に出て1試合平均19.7得点をマークし、専修大のアブ・フィリップ(3年、アレセイア湘南)や大東文化大のモッチ・ラミン(3年、桜丘)らほかの大学の留学生エースを抑えて得点王を獲得した。インカレでも、調子が上がらないうえに徹底マークを受けたが、得点数はチームトップだった。エースとして準決勝敗退の責任を強く感じており、「もっと得点を決めきるプレーヤーになりたい」と、更なる成長を自分に課した。

最終学年を迎える来年、牧と増田が目指すのはもちろん3年ぶりのインカレ制覇だ。下級生を中心に今大会を戦った筑波大は彼らを筆頭に中心選手全員が残る。牧は「この舞台に必ず戻って日本一になる。この負けを生かして、チームを変えていかないといけない」。主将として、そう固く決意している。増田は「東海大など中心選手が残るチームは多い。自分たちがより成長しないと勝てないです」と言いきった。名実ともに筑波大の主軸となった2人の目線は、すでに1年後へと向いている。

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