ラグビー

坂と書いて「ばん」と読む 坂和樹は明治不動のナンバーエイト

明治の坂は2年生から中心選手として奮闘してきた(写真はすべて撮影・斉藤健仁)

成田ラグビーフェスティバル メインマッチ

6月2日@千葉・中台運動公園陸上競技場
明治大 35-17 帝京大

昨年度の大学選手権の覇者明治大学は6月2日、一昨年度まで9連覇を達成した帝京大と激突した。

1年生から明治の8番をつけた

大学ラグビーの「春の天王山」のひとつともいえる試合。「紫紺の軍団」明治が35-17で勝った。スクラム、ラインアウトといったFW戦で優位に試合を進め、攻守ともに接点でもFWがしっかり前に出たのが勝因となった。

明治FWの看板ポジションのひとつがNo.8(ナンバーエイト)である。伝統的に「No8にいい選手がいると明治は強い」とも言われてきた。坂和樹(4年、明大中野八王子)は、その8番を1年生で2試合背負い、2年生から中心選手として活躍。昨年度の大学選手権でもNo.8として優勝に貢献した。彼の名字は坂と書いて「ばん」と読む。

帝京戦でもFWの先頭に立って気を吐いた坂は「FWの試合になると思ってました。アタックではFWが前に出て、セットプレーでいいボールをBKに供給できた。ディフェンスでは、相手がFWの近場で接点をつくってくるので、そこでタックルしてテンポを出させないようにしました」と、誇らしげに言った。田中澄憲監督も「すごく前に出てました」と、坂に高い評価を与えた。

明治は昨年度、大学選手権で優勝したが、関東大学対抗戦では3位タイ(4位扱い)だったため、関東大学春季大会はBグループに所属している。当然、Bグループでは4連勝中で、強豪校とは今回のように練習試合や招待試合で対戦している。

帝京大戦で接点に絡んでいく坂(手前の8番)

中学で最初のポジションはSH

「昨シーズン優勝した影響は大きくて、そのステージに戻りたい。そして、最終学年なので自分たちの代で優勝したいです」。坂はラストイヤーの目標をこう語った。「そのために一つひとつの試合を大事にしてます。春は課題が出てくると思うので、それを夏に修正して秋の対抗戦に臨みたいです」

身長180cm、体重106kgという現在の体からはあまり想像できないが、坂は小学校までサッカーをしていた。明大中野八王子中に入学すると、「違うスポーツがしてみたい」「ゴールキックがサッカーに似てておもしろそう」と、ラグビー部に入る。当時の体重は60kg。BKとしてプレーし、最初のポジションはSHだったという。

明治スクラムの最後尾には、坂がいる

筋力トレーニングにはまり、しかも関東選抜に選出されたこともあって、中学3年生の終わりには「ラグビーは自分に向いてる。このまま明治の付属でがまんしてプレーを続けて、大学ではトップレベルの明治のラグビー部に入る」と心に決めていた。

そして明大中野八王子高に進学すると、さらに体が大きくなったこともあり、FWに転向する。1年生のときはFL、2年生からNo.8になったという。明治の付属とはいえ、強豪校ではなかった。前述の坂の発言に「がまんして」とあるのはそういう意味だ。高校3年生のときは東京都の花園予選は第1地区ベスト16。全国大会は夢のまた夢だった。ただ、普段から努力を続けた坂の体重は90kgになっていた。

満を持して大学で明治のラグビー部に入部すると、一気に才能が花開く。高校日本代表経験のある選手が数多く在籍するチームで、丹羽政彦監督(当時)に「ボールキャリーに長けている」と、1年生ながら対抗戦の青山学院大戦と筑波大戦で8番を任され、2トライを挙げた。そして2年生から不動のNo.8となった。

得意でないタックルにも向き合う

1年生からAチームで試合に出続ける坂だが、今年、リーダーグループには入らなかった。「自分はリーダーではないですが、リーダーたちに任せるだけでなく、後輩ともコミュニケーションが取れているので、外から意見を言っていきたい」と、武井日向キャプテンらを支えていくつもりだ。

座右の銘は、今年、名言集を眺めていてピンときたという、「苦しいから逃げるのではない、逃げるから苦しいのだ」である。「苦しいところから逃げていてはいけない。タックルはあまり得意ではないのですが、弱みもやらないと、そういった部分で負けて自分たちが苦しい思いをしてしまう。しんどいときでもやりきりたいです」

試合ではボールを持ったら前に出て、スクラムやモールを押し続けるのが坂の真骨頂だ。そしてフィールド外では、リーダーグループと、その周りの仲間の潤滑油となってチームを一つにする。卒業後はトップリーグでラグビーを続けることに決めた。その前に「優勝して(キャプテンの武井)日向を胴上げする」というゴールに向かって邁進していく。

ボールキャリーも坂の持ち味だ

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