ラグビー

注目の一戦は、FWで圧倒した明治が帝京に快勝

帝京大のディフェンスを突破する明治大SO山沢(撮影・斉藤健仁)

成田ラグビーフェスティバル メインマッチ

6月2日@千葉・中台運動公園陸上競技場
明治大 35-17 帝京大

6月2日に開催された「成田ラグビーフェスティバル2019」のメインマッチとして、昨年度の大学王者の明治大学と、2017年度まで大学選手権で9連覇した帝京大が対戦した。

テーマ通りに戦い抜いた明治

開催中の関東大学春季大会では、昨年度対抗戦4位の明治はBグループに所属している。当然のように4連勝中だ。練習試合でも東海大に勝ち、新チームになっても春から強さが際立っている。一方の帝京大は春季大会のAグループで流通経済大、大東文化大、慶應義塾大には勝ったが、5月26日の東海大戦には敗れた。この日の対戦では、帝京が明治に対し、昨年度の対抗戦で負けたリベンジを果たすかどうか注目された。

明治のこの試合のテーマは、キャプテンのHO武井日向(4年、國學院栃木)によると「1対1でしっかり勝つこと」だった。前半3分、明治はテーマ通りにしっかりFWが前に出て、ボールを展開。最後は副キャプテンWTB山村知也(4年、報徳学園)が左隅にトライ。難しい角度のゴールもSO山沢京平(3年、深谷)が決めて7-0とリードする。

明治大は低いスクラムで帝京大を圧倒した(撮影・斉藤健仁)

明治はディフェンスもさえ、帝京に得点を許さない。15分、明治は相手のペナルティーからスクラムを選択し、最後はPR笹川大五(4年、明大中野)がトライ。31分にはラインアウトからFW、FWで前進し、最後はPR安昌豪(4年、大阪朝鮮)がトライを挙げて、21-0とリードを広げた。

前半のうちに反撃しておきたい帝京は、35分に敵陣25mのスクラムを起点に右に展開。最後は快足WTB木村朋也(4年、伏見工)が右隅に飛び込み、21-5で試合を折り返した。

試合終盤に帝京が2トライ

後半、明治は何度かゴール前まで攻め込まれたが、粘りのディフェンスでゴールラインは割らせない。すると明治にチャンスが訪れ、16分にゴール前のラインアウトからモールで押し込み、最後はキャプテンのHO武井が押さえて28-5。さらに28分、相手のミスから仕掛けてWTB山村が右タッチライン際を快走。今日2本目のトライを挙げて、35-5と大きくリードした。

帝京大の「スピードスター」WTB木村(撮影・斉藤健仁)

帝京も控えから入ったFLリッチー・トンガタマ(2年、ニュージーランド・オタフカレッジ)らボールキャリーに長けた選手やボールさばきの光るSH土永雷(どえい・あずま、3年、光泉)らが入ると、やっと攻撃にリズムが出る。34分と40分にPR細木康太郎(2年、桐蔭学園)とFLミティエリ・ツイナカウヴァドラ(1年、オーストラリア・セントジョセフズカレッジ)がトライ。試合は明治が35-17で快勝した。

帝京大のゲームキャプテンSO北村将大(3年、御所実業)は「前半、コンタクトのところで受けてしまった。後半もいい流れになったところで、小さなミスが続いてしまって、自分たちの流れに持っていけなかったです」と悔やんだ。ただ、けがで出られなかった選手も多く、まだまだ伸びしろはあるはずだ。

3年生ながらゲームキャプテンを任されている帝京大のSO北村(右)(撮影・斉藤健仁)

明治大のキャプテンのHO武井は「FWでもしっかり前に出て、いいアタックもできました。フィジカルの部分で春から積み上げてきた部分が出せました」。その通り、スクラムも含めてFW戦で有利に戦えたことが快勝に結びついた。明治が新チームの強さを示した試合だった。

FWはよく頑張った

明治大・田中澄憲監督の話
「テーマは『1対1』です。前半はよかったですが、後半になって帝京さんも流石なので、食い込まれる局面もありましたし、あとはとくにメンバーが代わってからそういう流れが止められませんでした。そこの課題はこの前の東海戦と一緒なので、もうちょっと成長が見たいです。どうしても(帝京と対戦すると)FW戦になるので、FWはよく頑張ったなと思います。でも帝京はけが人も多いですし、本当のFWはこんなもんじゃないと思います。春季大会はBグループだろうがAだろうがあまり関係ないです。(ライバルチームと対戦することによる)プレッシャーは、いまの時期は感じることはありません。チーム全体を底上げしながら進められてると思います」

真っ向勝負で戦えるようにしたい

帝京大・岩出雅之監督の話
「まだまだ実力不足、明治が上ということです。FWが昨年度は4年生ばっかりだったので、そのリバウンドです。この10年で初めてやってしまった。先輩がいなくなって、自分が前に立たなければいけなくなり、このレベルの実戦の自信を持っていない選手が多かった。今年は選手も我々もがまん強くやって、追いついていけばいい。2年生、3年生が多くて、もう少し体が大きくなるまで時間がかかるかな。確実に強くはなってきている。真っ向勝負でしっかり戦えるようにしていきたい。僕がどうこう言わなくて、選手たち自身が「俺がやらなければいけない」となれば、(チーム力が)上がる。一歩一歩、頑張っていきたい」

in Additionあわせて読みたい