陸上・駅伝

目の前で110mH日本新記録を出された順大・泉谷駿介「悔しいだけです」

泉谷(中央)は中盤から高山に置いていかれた(すべて撮影・佐伯航平)

2019オールスターナイト陸上

7月27日@神奈川・Shonan BMWスタジアム平塚
男子110mハードル決勝(追い風1.9m)
1位 高山峻野(ゼンリン)13秒30(日本新記録)
2位 泉谷駿介(順天堂大)13秒60

「2019オールスターナイト陸上」秩父宮賜杯第59回実業団・学生対抗陸上競技大会が7月27日にあり、男子110mハードル(H)決勝でドーハ世界選手権代表の高山峻野(しゅんや、明治大~ゼンリン)が、自らが持っていた日本記録を0秒06更新する13秒30で制した。高山は東京オリンピックの参加標準記録13秒32もクリアした。高山、金井大旺(たいおう、法政大~ミズノ)と並んで日本記録保持者だった順天堂大2年の泉谷駿介(武相)は、13秒60の完敗だった。

中盤以降で圧倒的な差

日本新記録樹立の瞬間、スタジアムが「おーっ」と沸いた。新記録「13.30」を示した電光掲示板の前では、高山が報道陣の記念撮影の求めに応じる。そこへちらりと目をやって、泉谷はスパイクを脱ぎ、引きあげていった。

この日、先に出場した三段跳びのときから、体が重そうだった。三段跳びは15m62(追い風1.6m)で出場5人中5位だった。110mHではいつも通りスタートで前に出たが、中盤からの高山の加速に置いていかれた。目の前で日本新記録を出されたことに関して「悔しいだけです」と短く言った。このレースの位置づけについて尋ねられ、「記録はとくに意識しないで、練習みたいな感じで臨んだんですけど、でも目の前で出されて、すごい悔しいですね」と語った。そのあとレースを振り返り、「何が何だか分からなかったです」と言った。

日本新記録を目の当たりにし、引きあげる泉谷

6月下旬の日本選手権決勝では高山と同タイムの13秒36(向かい風0.6m)でゴール。写真判定で優勝は高山に譲ったが、金井と高山と並んで日本記録保持者となった。7月に入ってイタリアでユニバーシアード。13秒49で3位だった。そしてこの夜が13秒60。「ユニバが(13秒)49で今回が60で、あの36はたまたまだったのかな」と泉谷。そして「あれは自分の力じゃなくて、36を何回も出していかないと。一回じゃダメだと思いました」と、まっすぐ前を見て話した。

17日の福井でリベンジなるか

7月24日にはツイッターで「今日から1年間お菓子を禁止します」と宣言。その直後の試合で、まだまだだと思い知らされた。「動きがどうこうと考えすぎずに、やることをやって、(13秒)30を塗り替えられるように頑張ります」。今後について、泉谷が言った。
8月17日には福井での「Athlete Night Games in FUKUI」で、金井、高山とともに走る予定だ。ここから19歳のマルチアスリートの逆襲が始まるか。

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