日本インカレ男子10000m 國學院大の土方英和と藤木宏太が日本勢ワンツー
陸上の日本学生対校選手権大会(日本インカレ)が9月12日、岐阜メモリアルセンタ―長良川陸上競技場で開幕した。男子10000m決勝には26人が出場し、スタートから先頭を引っ張ったレダマ・キサイサ(桜美林大4年)が28分19秒99で優勝。創価大ルーキーのフィリップ・ムルワが28分38秒32で2位、土方英和(國學院大4年)が28分47秒40で3位だった。
ラスト1周、土方が一気に駆け抜けた
レースはキサイサを先頭とした大きな集団で進み、最初の1000mを2分47秒で駆け抜けると、キサイサとムルワ、ローレンス・グレ(札幌学院大2年)という外国人留学生の先頭集団が形成された。その集団に日本勢としてただひとり、立命館大4年の今井崇人が食らいついた。4人の先頭集団は1000mを2分45~50秒のペースを刻み、橋本龍一(順天堂大4年)と土方を先頭とした第2集団との差は最大で10秒ほど広がった。4000mの手前で今井が留学生たちから遅れ始め、そのまま単独走で粘ったが、6000m地点でジョルカ・ムセンビ(東京国際大1年)を先頭にした第2集団に飲まれ、グレも第2集団に沈んだ。
土方は10人ほどの第2集団の中盤からレースをうかがい、残り3周になったタイミングで第2集団を引っ張っていた西田壮志(東海大3年)の後ろ、國學院大の後輩である藤木宏太(2年)の横に位置をとった。残り1周、土方がすっと前に出ると集団を大きく引きはがし、そのままフィニッシュ。日本勢2位で藤木がゴールすると互いをたたえ合い、笑顔のふたりは並んでトラックを後にした。
ラスト900mで「いこう!」
日本勢1位の土方英和の話
「日本人トップを狙おうと思ってて、最低でも入賞と思っていたので、(3位は)よかったです。無理せず力を使わずに、自分の力を使うところだけ思い切っていこうと決めてました。どこで出ようかとは決めてなかったけど、藤木がラストは強いので、最後の1周勝負になったら勝ち目がないと思いました。残り900mのところで牽制(けんせい)しあったタイミングで『いこう!』と思いました」