部員11人の青学女子卓球、石川梨良を軸にリーグ戦38シーズンぶり制覇!
卓球の秋季関東学生リーグは9月13日に最終日を迎え、女子は青山学院大が38シーズンぶり22度目の優勝。2位には春を制した早稲田大、3位には中央大が入った。
絶体絶命のピンチ、キャプテンはあきらめなかった
1年前から上昇気流に乗っていた。青学は昨秋、4勝3敗で4位に躍進。続いて今春は早大、中大と並ぶ6勝1敗だったが、当該チーム間の対戦成績により3位どまりだった。そしてこの秋、大輪の花を咲かせた。
秋も早大、中大と三つどもえのデットヒートが予想されたが、それは覆された。青学は4日目に中大戦と早大戦があり、ここで連勝すれば当該チーム間の対戦成績で優位となるため、リーグ優勝へ大きく近づくチャンスだった。
ここで活躍を見せたのが、2番で登場した主将の石川梨良(りら、4年、帝京)。姉の佳純(26)とともにTリーグ神奈川にも所属している。相手は中大のエースでTリーガーでもある森田彩音(4年、帝京)。2ゲームを先取された石川だったが、その後3ゲームを取り返す逆転勝ち。流れに乗った青学がマッチカウント4-2で勝った。
「0-2で負けてて、あと1本で負けるところまでいきましたけど、自分自身も最後の大学リーグ戦になるので、あきらめずに頑張ろうと思い切ってやったのが勝ちにつながったのかなと思います」。石川は、森田との試合をこのように振り返る。主将のあきらめない気持ちがチームに勝利をもたらした。
次は早大戦。出だしは相手の笹尾明日香(2年、横浜隼人)の活躍でリードを許したが、青学は巻き返してマッチカウント3-3に持ち込む。ここで最後に登場したのが石川だった。早大のカットマン黒野葵衣(1年、武蔵野)を3-1で破り、マッチカウント4-3で春に続いて早大戦勝利。優勝に大きく近づいた。そして、最終日の東京富士大戦はマッチカウント4-1で快勝。青学は6勝1敗(1敗は専修大戦)で早大と1位で並び、直接対決で勝っているため2000年秋以来38シーズンぶり22度目の優勝が決まった。
石川の入部時は3部のチームだった
石川は「いまは本当に素直にうれしい気持ちです。リーグ戦が始まる前は、正直優勝できると思ってなかったんですけど、6勝1敗という結果で優勝することができました。今回は本当にチームワークのよさで優勝できたと思ってます」と話した。
青学女子卓球部の部員は11人。「入学した当時はもっと人数も少なくて、まさか1部で優勝できるとは思ってませんでした」と石川。「11人でもほかの大学に比べると少ないですが、少ないからこそチームワーク、団結力があるのかなと思います」。早大や中大のように、エースと呼ばれる選手はいない。まさにチームが一つになって頂点に立った。
秋もずっと順調な訳ではなかった。初戦の専修大戦で1-4黒星スタート。「みんなが力み過ぎてて、初戦が終わってから『勝ち負けよりもみんなで楽しくやろう』『チームワークを大切にみんなで楽しく試合をしよう』と話し合いました。次の試合前にもまた話をして、だんだんチームワークがよくなってきました。それで第4日の中大戦や早大戦という大きな壁を乗り越えて、今回の優勝につながったのかなと思います」。石川は最悪のスタートから優勝までたどり着いた過程を語ってくれた。
石川が入学した当時、青学大は3部だった。「1部で優勝という最高の勝ち方で終われてうれしいです」と喜びをかみしめた。「青学に入って4年間楽しかったし、ここの経験を生かして社会人になっても頑張っていこうと思います」
3部から1部優勝まではいあがった青学での経験をもとに、羽ばたいていく。