大学アメフト

立命アメフト 帰ってきたエースWR木村和喜「レシーバーは捕ってからが仕事」

木村はパスを捕ってタックルをかわすと、エンドゾーンまで駆け抜けた(すべて撮影・安本夏望)

関西学生リーグ1部 第4節

9月28日@たけびしスタジアム京都
立命館大(4勝)24-13 京大(1勝3敗)

アメフトの関西学生リーグ1部の第4節で立命館大が京大を24-13で下し、開幕4連勝とした。帰ってきたエースレシーバーが、嫌な流れを断ち切るビッグプレーを演じた。

タックルを外し、右へ駆け出してタッチダウン

10-3で迎えた後半最初のオフェンスシリーズだった。2度攻撃権を更新した立命は、自陣49ydからの第1ダウン。右端にセットしていたWR(ワイドレシーバー)の木村和喜(かずき、3年、立命館守山)が左へモーション。プレーが始まる。QBの荒木優也(4年、同)は左へ開いたRBに投げるふり。木村はブロッカーのふりをして、ゆっくり縦に出ている。荒木は15yd先でフリーになった木村へ鋭いパスを通した。すぐに京大のDBが木村にタックルしようとしたが、スピンで振り払う。前を向いた木村は、右に大きなスペースがあるのを見逃さなかった。すぐに右へ駆け出し、40yd4秒5の俊足を飛ばしてエンドゾーンへ駆け込んだ。後半早々に17-3と突き放し、立命が流れをつかんだ瞬間だった。

今シーズン初のタッチダウン。ここからどれだけ積み重ねるか

木村は春のけがから前節で戦列に復帰し、これが今シーズン初のタッチダウン(TD)。「まだ満足はしてないですけど、TDを取れて安心しました」。笑顔が広がった。復帰にあたって背番号を82から14に変更。ずっと白だったグローブとスパイクを黒に変えた。背番号は2年前の主将で14番だったWR近江克仁(よしひと)さん(現・IBM)へのあこがれから。白から黒へのチェンジは心機一転のためだ。

現・日大監督が教えてくれた「手で捕れ」「1ydでも稼げ」

「レシーバーはボールを捕ってからが仕事」。これが木村の信条だ。捕ってから走る、いわゆる「ラン・アフター・キャッチ」は、アメフトを始めて4年目だった立命館守山高校1年生のときに意識し始めた。いま日大の監督を務める橋詰功さんが、木村の進学と同時にアメフト部のコーチに就任。何から何まで教えてもらった。「あとの動きをスムーズにするために、胸じゃなく手で捕るんや」「捕ったらすぐ縦に上がって1ydでも稼げ」。橋詰さんの指導に、木村は必死で食らいついた。そして、ラン・アフター・キャッチは自慢の武器に。この日のTDについて「橋詰さんが後ろにいた感じがしましたね」と、大笑いした。

高3のときにU19日本代表を経験。アメリカの選手たちとの体格差を痛感した。大学に進んでから、本格的なフィジカル強化に取り組んだ。体重は8kg増えて78kg。体を大きくしながら、スピードも進化した。「2回生のころにやっと『走れるな』って感じました。いまは相手との1対1も考えられて、余裕が持ててます。高校のときより成長したと感じます」。昨年からエースの期待を受け、関西学院大との2度の戦いでも試合の流れを変えるキャッチを求められていたが、最初の対戦でロングパスを捕ってのTDを決めただけに終わった。「去年は『自分がやらなあかん』という気持ちが強すぎました。でも今年のレシーバーは誰が出ても活躍できるユニットになってます。こうなりたいって思ってました。その中でもチームを勝たせるって気持ちは僕が一番強いと思ってます」

ロングパスには、あと少し届かなかった。「近江さんなら余裕で捕ってるんじゃないですか?」

ともにプレーして9年目の先輩QB荒木を支える

副将を務めるQB荒木とのコンビは立命館守山中学校からで、9年目になった。荒木は言う。「和喜と一緒にやってると、うれしい誤算がある。QBとしては楽しいです」。この日の第2Qにも木村へのロングパスを2度投げた。どちらも木村が相手のマークを軽々と振り切ってはいたが、あと少し届かなかった。「和喜ならなんとかしてくれる」との思いを込めて投げた。木村は「相手に(マークに)つかれてても投げてくださいって言ってあります。僕がボールを捕って、あの人を支えていけたらと思います」と、先輩への思いを語った。
二人で学生日本一をつかむ最後のチャンス。木村が荒木を男にする。

試合後、4回生の言葉に耳を傾ける。木村にとっても勝負のシーズンだ

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