野球

明治、早稲田に○●● エース森下暢仁で今年初めて勝ち点失う

1回戦で好投する森下。ドラフト候補としても注目をあびている

東京六大学秋季リーグ戦 第3週

9月28~30日@東京・神宮球場 
1回戦 明大4-0早大
2回 明大2-6早大
3回戦 明大1-4早大

東京六大学野球第3週、春の王者の明大と早大が対戦。明大は1回戦をとったが、その後連敗。今年初めて勝ち点を落とした。

エースと4番が躍動した1回戦

初戦は大学日本代表で共闘した明大・森下暢仁(4年、大分商)と早大・早川隆久(3年、木更津総合)のエース対決となった。試合は1回から動く。先頭の北本一樹(4年、二松学舎大付)が出塁すると、相手の失策と四球が絡み無死満塁。打席には4番喜多真吾(4年、広陵)が入る。「自分がやってやるんや」。強く意気込んで早川と対峙した。フルカウントからの直球を振り抜くと、ライトスタンドへ飛び込む満塁ホームランに。この4点で決まった。春に頭角を現した主砲の存在感は、ラストシーズンでも高まるばかりだ。。

主砲・喜多の一発が試合を決定づけた

投げては森下が終始圧巻のピッチング。変化球を中心とした配球で相手打線を4安打に封じ、完封した。エースと4番というチームの両輪が役割を果たし、先勝した。

ミスで痛恨の1敗を喫す

2回戦の先発はエースナンバー11を背負う伊勢大夢(4年、九州学院)。プロも注目する変則ピッチャーに期待がかかったが、思わぬ形で早大に流れが傾いた。1回からランナーを背負いながらも要所を締めてきたが、5回裏2死から連続ヒットと死球で満塁のピンチを招く。続く4番の加藤雅樹(4年、早稲田実)にはセンター前に運ばれ、さらに、この打球をセンターが後逸。打者走者の加藤までが生還し、一挙に4点を失った。3試合ぶりの得点に成功した早大ベンチは盛り上がる。伊勢は「目立つほど悪くはなかったんですけど、慎重になりすぎました」と、5回の投球内容に悔しさをにじませた。

伊勢は相手に傾いた流れを止められなかった

打線は散発4安打に終わった。さらには、失点直後の攻撃で1点を返し、さらに流れを手繰り寄せたい場面で走塁ミスが出る。つかみかけた流れは完全に早大に傾いた。攻守のミスが敗因となったこの試合。「ミスが出てしまったら勝てないんだと、改めて分かった試合でした」と、副将の北本は言った。

9回に3失点で勝ち点を落とす

3回戦もミスで天国と地獄が決まった。先発マウンドには中1日で森下。序盤に犠飛で1点を失うが、その後は貫録あるピッチングで早大打線を封じた。だが同点で迎えた9回。2死一、二塁の場面で平凡なゴロを北本がエラー。「ミスしてはいけないという思いが強すぎた」と、冷静さを欠いた。ピンチは広がり2死満塁。森下はサインに首を振り続け、小藤翼(4年、日大三)に対して投じたのは149kmの直球。とらえられ、左中間を破られた。走者一掃のツーベースとなった。

森下の中1日の登板も実らなかった

「緩い球を使った方がよかった」と、森下は1球に泣く結果に。終盤での重い失点に、その後は反撃の術もなく試合終了。春から通じて、今年初めて勝ち点を落とす結果となった。

優勝に向け、背水の陣を強いられる明大。次戦はここまで2カード続けて勝ち点を挙げている法大だ。「法大、慶大に勝てれば、まだ優勝の可能性はある」と森下。ほかのナインも下は向いていない。2019年の四冠に向け、〝粘りの明治〟がここから本領を発揮する。

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