國學院大の「持ってる男」鎌仲純平 スタメン復帰で先制の一発「4番に戻りたい!」
東都大学野球秋季リーグ戦第2週、國學院大-立正大のカードは、國學院が連勝で勝ち点を2とした。國學院は4番を打っていた鎌仲純平(4年、北海)が第1週の駒澤大戦で調子を落とし、3回戦で先発を外れていたが、第2週にスタメン復帰。1回戦にタイムリーツーベース、2回戦では先制ホームランを放つ活躍で勝利に貢献した。
スライダーを狙い打った東都通算6号
立正大との2回戦の2回、1死走者なしで鎌仲が左打席へ。ファウルで粘り、カウント2-2からの7球目だった。山本雅也(2年、広陵)が投じた128kmのスライダーを、鎌仲のバットがすくい上げた。打球はライトスタンドに飛び込んだ。リーグ戦通算6本目、先制のソロホームランだ。
「スライダーを狙ってました。前のカードではちょっと体が開いてたので、練習でそこを修正して、そうならないように意識したのがホームランにつながったと思います」
第1週の駒澤大戦では1回戦、2回戦とヒットが出ず、2試合とも途中交代。3回戦ではついにスタメンを外れてしまった。國學院の鳥山泰孝監督は言う。「鎌仲は開幕から責任感を持って試合に臨んでくれましたが、ちょっと勇み足になっていたので、冷静になれるようにとスタメンから外したんです」
第2週の立正大1回戦、7番レフトでスタメン復帰を果たした鎌仲は、2回の第1打席、無死二塁からレフト線へのタイムリーツーベースを放った。この秋の初ヒットだった。國學院はこの回、5安打を集めて4点を奪った。続く2回戦の2回には先制ホームランで打線に火をつけ、國學院はそこから4連打でこの回計3点を奪った。鎌仲は6回にも1死一塁からヒットを放ち、國學院はこの回にも3点を奪っている。
鎌仲がここまでに打った3本のヒットは、いずれも集中打につながっている。「今日のホームランのあとも連打で点が入りましたよね。僕が打てば勝てると思います」。本人も満面の笑みで、そう言った。
令和最初の試合でサヨナラホームラン
鎌仲は大学2年生の春に公式戦デビュー。その秋のリーグ戦中盤から4番に座った。3年生の春は打率4割(リーグ3位)、2本塁打の活躍でベストナインに選出。チームも2位に躍進した。ところがその秋のシーズンでは打率1割5分6厘と不振に陥り、チームも5位に終わってしまう。
最終学年となった今春は開幕直前に左足を痛め、立正大との開幕戦を欠場。しかし、翌日の2回戦には4番で戦列に復帰し、ホームランを含む3安打の活躍だった。
令和最初のゲームとなった第3週、5月1日の亜細亜大1回戦では0-0の9回にサヨナラホームランを放った。春のリーグ戦は打率こそ2割3分3厘だったが、2本塁打、10打点と勝負強さが光った。
北海高3年生のときに出場した夏の甲子園では、開幕カードで鹿児島実と対戦。大会第1号ホームランを放った。この8月6日は鎌仲の18歳の誕生日だった。
何かと「持ってる」男なのだ。
18シーズンぶりの優勝に向かって打て
スタメンに復帰した立正大1回戦は7番を打ち、2回戦は5番に打順が上がった。
「ずっと4番を打たせてもらってきたんで、4番に戻りたいです!」。鎌仲は4番復帰に燃えているが、第2週の2試合で4番を打った伊藤雅人(4年、関東一)も今シーズンここまでの5試合で20打数7安打と好調をキープしている。4番争いは熾烈(しれつ)だ。
「今日は鎌仲のホームランがチームに勢いを与えてくれました。鎌仲は出足でちょっと苦しみましたけど、本来の状態に戻ったので安心して任せられます。次の試合まで2週空きますので、ベストの打順をまた模索していきます」と、鳥山監督は話した。
次週からは変則日程となるため、3カード目の中央大戦までは2週間空いてしまう。
「このいい感覚を忘れないように、しっかり毎日バットを振って、いいイメージをずっと持ったまま次の中央戦に入れば、結果はついてくると思います」。鎌仲は気合の入った表情で話した。
鎌仲が入学してからの7シーズン、國學院のリーグ戦成績は、2位、4位、2位、4位、2位、5位、3位。今シーズンは開幕から2週連続で勝ち点を得た。エースの横山楓(4年、宮崎学園)はすでに3勝を挙げ、リリーフの諸見里俊(3年、沖縄尚学)も好調。18シーズンぶり2度目の優勝へ、大きなチャンスだ。
卒業後、鎌仲は社会人野球の世界に進む予定だ。大学最後のリーグ戦も残り3カード。ここぞの場面で活躍してきた男が、いまこそ自分のバットで優勝をたぐり寄せる。