出雲駅伝5位の青学、勝つためには鈴木塁人主将ら4年生の奮起が鍵
第31回出雲全日本大学選抜駅伝競走
10月14日@島根・出雲大社~出雲ドームの6区間45.1km
5位 青山学院大 2時間10分51秒
出雲駅伝で連覇がかかっていた青山学院大は今年、5位に終わった。昨年の優勝メンバーの内、4年の鈴木塁人(たかと、流経大柏)と生方敦也(うぶかた、佐野日大)は出走できず、湯原慶吾(2年、水戸工業)、岸本大紀(1年、三条)、中村友哉(4年、大阪桐蔭)が初出場となった。レース後、原晋監督は下級生の活躍をたたえる一方で「全日本(大学駅伝)は下級生中心。ただ、4年生の奮起がないと学生スポーツは盛り上がりませんから」と4年生に苦言を呈した。
ルーキー岸本は「真のエースになる」
青学は1区を湯原に託した。スタート直後に北海道学連選抜のローレンス・グレ(札幌学院大2年、札幌山の手)が飛び出すと、そのまま2位の駒澤大に1分16秒差をつけて襷(たすき)リレー。湯原は2位集団の中でレースを進め、7位で岸本につないだ。岸本は一気に追い上げると一時は2位集団のトップに立つ積極的なレースを見せ、駒澤大と國學院大にそれぞれ1秒差での4位に浮上。1年生ながら区間賞をつかんだ。
各校のエースがそろった3区には𠮷田圭太(3年、世羅)が出走。國學院大の浦野雄平(4年、富山商)と駒澤大の田澤廉(1年、青森山田)、5位から追い上げてきた東洋大の相澤晃(4年、学法石川)と競りながら、4位で神林勇太(3年、九州学院)へ襷リレー。神林は1位の駒澤大と同タイムで5区につなぎ、区間賞を勝ち取った。5区には昨年優勝テープを切った竹石尚人(鶴崎工)、6区には中村と4年生が襷をつないだが、3位から5位と順位を落としてしまった。
初の大学駅伝で区間賞をとった岸本に対し、原監督は「真のエースになると思いますよ。箱根では2区を任せられる。飯もものすごい食べるんですよ。強い。ああいう1年生が出てくると学年も盛り上がってくるし、黄金世代になる予感はありますね」と期待を寄せている。同じく区間賞をとった神林に対しても「いい顔しててホッとしました」と言い、下級生にとっては自信をつけるレースになったと実感している。
4年生の奮起がチームを盛り上げる
ただ4年生については評価が厳しかった。「スタートラインに立ってませんからね、鈴木も生方も。走ったやつがダメだったというより、走るべきランナーがスタートラインに立ってないのが問題」。原監督が厳しい言葉を口にするのにはわけがある。「4年生の取り組み、真剣さでチームは変わります。『先輩がこれだけやってるんだから僕たちも』ってなってきますから。日々の生活、練習態度に出てきますからね」
鈴木と生方は出雲駅伝後、県立浜山公園陸上競技場で開催された「もうひとつの出雲駅伝」と呼ばれる出雲市陸協記録会(5000m)2組目に出場した。鈴木は14分14秒41で組13着、生方は14分22秒46で18着にとどまった。この出雲での悔しさをバネに、続く全日本大学駅伝、箱根駅伝ではどんな走りを見せてくれるのだろうか。