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“いぶし銀の働き”見せる斉藤諒馬は、上位を狙う青学バスケの屋台骨

コートを駆け抜ける青学の斉藤

第95回関東大学バスケットボールリーグ戦

10月22日@日体大世田谷キャンパス
青山学院大 71−74 白鴎大

青山学院大はここ2試合、いずれも1巡目で敗れていた日体大、早稲田大を立て続けに下した。チームには上昇ムードが漂い、さらなる連勝に期待が膨らんだ。しかし、白鴎大との一戦では足元に“魔”が潜んでいた。

第1クオーター序盤、ドライブから得点を狙った赤穂雷太(3年、市立船橋)が相手選手と交錯し足首を負傷。青学は得点、ブロックショットの両ランキング名を連ねる攻守の柱を、試合序盤に失ってしまった。膝の怪我で納見悠仁(4年、明成)主将を欠いた先週に続き、またしても正念場に立たされた。

コート上で青学のメンバーが集まり結束を図る

それでも、コート上の選手たちは冷静にそれぞれの役割を遂行。上位進出を狙う東海大、専修大から立て続けに勝利を奪ってきた白鴎大を相手に、リバウンドから競り負けたものの、ワンポゼッションゲームと呼ばれる3点差まで追い詰めた。

泥臭いプレーで、チームを下支え

結果的に青学は惜敗したが、選手たちの奮闘ぶりは素晴らしかった。中でも、冷静さを失わなかったのが斉藤諒馬(3年、山形南)だ。斉藤はこの試合で、チーム最長の31分間出場。赤穂を怪我で失う緊急事態を受けて「(同じ3年として)やんなきゃいけない」と、闘志を燃やしていたという。

主力の一人である斉藤は、この秋からほぼ全試合に出場。スターターには斉藤の他に、キャプテンの納見、赤穂、伊森響一郎(4年、広島皆実)、ナナーダニエル弾(4年、横須賀学院)が名を連ねるが、彼らにはない「いぶし銀の輝き」を放っている。注目すべきは泥臭いプレーだ。

斉藤は誰よりもコートを走り、自分より大きな相手に対しても体を張ってディフェンスをする。言わば、数字に現れないプレーで貢献しているのだ。青学が1巡目で大東文化大、東海大を倒し、暫定3位に位置しているのは、そうした斉藤の働きがあるからだとも言える。これまでのパフォーマンスについて尋ねると、「(最初の頃は)しんどくて、アジャストできなかったです」と斉藤。もちろん、今では自分の役目をきっちり果たしている。

山形南高時代の斉藤は攻撃寄りのプレーヤーだった。しかし、2学年上の前田悟(現・富山グラウジーズ)の後を追いかけ青学に入学すると、自分より能力で上回るライバルがひしめき合っていた。そこで斉藤は「生き残るためにはディフェンスやハードワークをやんなきゃいけないな」と思い、大学2年になりプレースタイルを変えた。そこからの努力が「やっと今につながっているのかな」と、斉藤は言う。

3ポイントシュートでも存在感を発揮

プレースタイルを変えた斉藤は、コーナーからの3ポイントシュートでも存在感を発揮するようになった。1巡目の筑波大戦では、序盤に2本の3ポイントシュートを決めて大きなインパクトを与えた。元からシュートが得意だったという斉藤が、戦術の中でしっかりと打ち込みを重ねて得た武器は、走り続ける自分への“ご褒美”となっている。

3ポイントシュートでも存在感を発揮

オータムリーグも残り7戦。大東文化大の優勝はほぼ確実だが、2位以下は混戦模様を呈している。今後の戦いを見据えて、斉藤は言う。「一つひとつのプレー強度やどれだけ相手を予測して動けるかがポイントだと思います」。どんな時でも心は熱く、頭はクールに。いぶし銀の活躍でチームを支える。

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