大学バスケ

特集:駆け抜けた4years. 2020

「周りを魅了するようなプレーヤーに」同志社大女子バスケ主将・後藤似菜

「チームのために」渾身的な後藤(左)のプレーがチームを支えた

3年生のときから主力としてチームを支えてきた後藤似菜(4年、市岡)の強みは、スピードとキレのあるドライブイン。守られても最後までリングに食らいつき、バスケットカウントも多く獲得する重要な得点源だ。ラストイヤーの今シーズン、先輩の推薦で主将になり、目標である関西女子学生リーグ2部優勝、1部昇格を目指し、チームを牽引してきた。

チームを支えたキャプテンの背中

同志社大学女子バスケ部は他校に比べて平均身長が低い。その分、粘り強いディフェンスやスピードが勝利の鍵となる。また何よりも、明るく元気がいい「同女らしさ」を武器とするチームだ。

勝敗に関わらず、今シーズンはとくに、メンバーが感情を全身で表現する姿が印象的だった。学年関係なく励まし合い、奮起させ合う環境がチームに一体感を生んだ。

一方、ベンチで大声を出して盛り上げるメンバーと違い、主将の後藤は静かでクールな一面を持つ。チームに活気がないときはガッツある1on1や3ポイントシュートで周りを奮い立たせる。流れをつかむとアシストに回り、他メンバーを生かす。まさに背中で見せるキャプテンとしてチームを支えた。また、激しいルーズボールを制したメンバーや、好プレーを見せたメンバーへは必ず声をかけ、手を添える姿もよく目にした。

次世代に託した“チャム”の思い

4年間の集大成となるリーグ戦、チームは好ましくない試合が続いた。開幕早々に4連敗を喫し、早くも2部優勝は厳しい状況に。しかし、後藤は最後まで諦めなかった。

最後までメンバーを魅了(charm)し続けた“チャム“こと後藤主将

「全員で戦わないと勝てないチームだと思う。コートもベンチもベンチ外も、みんな一つになって『チームのために』って思えるチームで最後は終わりたい」

「同女らしさ」はメンバー全員でしか発揮できない。全員で戦うことを誰よりも大切にしているキャプテンの存在が、メンバーの精力の糧になっていたことだろう。

5日目の京都教育大戦は接戦を制して勝利したものの、結果は3勝8敗で10位と、掲げた目標を果たせなかった。しかし副将は言う。「チャム(後藤)がキャプテンをしてくれたから、ここまでくることができました」

このチャムというコートネームは、高校のときに先輩が後藤につけてくれたものだ。当時から得意とするドライブをいかし、「周りを魅力(charm)するようなプレーヤーに」という思いが込められている。コートネームに負けじと走り続けた4年間。この試合を最後に、後藤は長年続けたきたバスケを引退した。

リングに向かい続ける姿、そして主将としてチームを支える後藤の姿は、最後まで周りを魅了した。「勝とうって姿勢でみんながチームを盛り上げてくれたし、支えてくれた。その姿勢を引き継いで次につなげてほしい」。彼女の思いはいま、次世代に託された。

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