駒澤大学陸上競技部の新入生歓迎会へ伺いました! M高史が個人的に注目したのは……

今回の「M高史の陸上まるかじり」は駒澤大学陸上競技部新入生歓迎会のお話です。今年も楽しみな選手、マネージャーさんが入学・入部されましたので伺ってきました。
落合晃選手・篠和真選手らのあいさつをご紹介
まずは駒澤大学に今年、入部した13人の選手、3人のマネージャーをご紹介します。
丸括弧()内は出身校、その後ろは原則高校時代の5000mベストを記載
井本正凪選手(関大北陽)14分25秒05
及川栄志選手(駒大高)14分31秒60
大西功起選手(洛北)14分17秒63
大葉叡選手(坂戸西)14分25秒17
落合晃選手(滋賀学園)※800m日本記録1分44秒80
上岡煌選手(市立船橋)14分24秒20
篠和真選手(佐久長聖)13分55秒79
橋本颯人選手(洛南)14分01秒63
増永一心選手(開新)14分12秒09
松村達也選手(八千代松陰)14分10秒69
三谷虎太郎選手(世羅)14分22秒45
牟田颯太選手(鎮西学院)14分06秒52
牟田凛太選手(鎮西学院)14分00秒79
青柳敬太マネージャー(旭川龍谷)
大石拓海マネージャー(開智)
吉武優佑マネージャー(福岡工大城東)
歓迎会では関係者やスタッフがあいさつし、新入生からも一人ずつ自己紹介が行われました。ここでは、注目選手のあいさつをご紹介します。
なんといっても注目は、滋賀学園高校時代に800mで日本記録を樹立した落合晃選手です。先日は大八木弘明総監督が指導するGgoatメンバーの先輩たちとアメリカ・アルバカーキでの合宿を経験しました。

落合選手は「800mでは1分42秒台、1500mでは3分30秒を目標に頑張りたいと思います。今年は東京世界陸上に出場することが大きな目標です。ロサンゼルス・オリンピックにも出場して結果を出したいと思っています」と力強く話されました。
続いて5000mで13分台の記録を持つ佐久長聖高校出身の篠和真選手です。「4年間の目標は10000mで27分40秒台を出すことです。4年間しっかりとケガなく、力をつけていき、箱根駅伝で区間賞を取れるような走りをします」と意気込みを語りました。

また学年代表あいさつは、洛南高校出身の橋本颯人選手が務められました。「同じ高校の先輩である佐藤圭汰さんに少しでも追いつけるように頑張っていきたいです」と橋本選手。「チーム目標を『三冠』と掲げている以上、1年生の中から、一人でも多くチームの主力に入れるようになれば、貢献できるのかなと思います。1年生の仕事や学業もしっかりして、文武両道を目指していきたいです」とお話しされました。

そしてM高史が個人的に注目していたのは、旭川龍谷高校出身の青柳敬太マネージャーです。「M高史の部活訪問」では旭川龍谷高校さんに毎年伺っており、青柳さんは高校1年生の時からよく知っていました。旭川龍谷高校は女子が全国高校駅伝に連続出場している中、青柳さんは中・長距離ブロックで唯一の男子部員。800mをメインに、コツコツと真面目に取り組んでいました。
訪問させていただいた時は、青柳さんとジョグをしながら陸上トークも。とにかく陸上が大好きなことが伝わってきます。自宅から学校までの片道17kmを自転車で通学していたことから、ガッツや根性もあります。マネージャーになれば、毎日のように自転車で選手に伴走するでしょうから、そういう場面でも生かされそうですね!
青柳さんは「マネージャーとして選手をサポートするのはもちろんのこと、自分自身いろいろなことにチャレンジして、このチームの戦力となるマネージャーになります」とあいさつされていました。高校時代は、いつもニコニコ笑顔で周りの雰囲気を明るくしてくれた青柳さん。大学ではマネージャーとして、持ち前の真面目さと笑顔でチームを支えてください!

主将・山川拓馬選手からのメッセージ
新入生からのあいさつの後は、主将の山川拓馬選手(4年、上伊那農業)から新入生に向けたお話がありました。
「新入生の皆さん、入学入部おめでとうございます。4年間、厳しい時もあると思いますが、今までの先輩方もいろいろ工夫して、練習してきたりケアをしてきたりして、強くなってきています。先輩方も自分のためにアドバイスをしてくれると思います。素晴らしい環境が整っているのは、大学や後援会の皆様、OB会の皆様、総監督、監督、スタッフの皆様のおかげですし、また中学・高校の恩師の方々のおかげで競技ができているということを毎日思って、感謝の気持ちを忘れずにやるようにしてください」
新入生歓迎会には一人のOBとして毎年のように顔を出させていただいてますが、「思えば3年前は山川選手も新入生であいさつされてたなぁ……そんな山川選手も、もう最上級生かぁ!」と。勝手に親戚気分になりますね(笑)。学生スポーツを見ていると、時が経つのが早いなぁと感じる方も多いのではないでしょうか!
今年ルーキーで入られた皆さんも、3年後には成長した4年生になっていらっしゃることでしょう。駒澤大学のチームスローガンに毎年「原点」という言葉が入っているように、入学した時の気持ち、初心や原点を常に忘れずに、情熱を燃やし続ける4年間にしてほしいです!

学生時代のご縁は、一生の宝物
ここからは駒澤大学だけでなく、大学生の皆様へのメッセージも込めて書かせていただきます。
M高史は学生時代、駒澤大学でマネージャーをしており、3、4年の時は主務を務めさせていただきました。毎日がとにかく全力で、もしタイムマシンがあったとしても、戻りたくないくらいキツかったです。ですが、駒澤大学での4年間は密度が濃くて、いま思えば最高に幸せでした。社会人になってからも、今のM高史としての活動の原点です。
本気になって打ち込んだ4年間には、本当にたくさんの素晴らしい出会いが待っています。僕の場合は恩師、先輩、同級生、後輩、メディアの皆様、お世話になった企業の皆様……。今でもつながっていて、ご縁に感謝しています。
大八木総監督(当時、監督)は常々「人との縁を大事に」とおっしゃっていました。僕の同級生では九電工陸上競技部の髙井和治監督、第一生命グループ女子陸上競技部の早瀬浩二監督、拓殖大学陸上競技部の治郎丸健一監督と、指導者として活躍している姿には刺激をもらっています。陸上から離れた仲間も様々なフィールドで輝いています。
「M高史の部活訪問」や「M高史の陸上まるかじり」で全国各地の中学、高校、大学に取材させていただけるのも、陸上を通じてつながったご縁があってのことです。

競技も学業も現状打破!
また大学生なので、競技とともに勉強をおろそかにしないこと。つまり、単位をちゃんと取りましょう(笑)。いろいろな大学を取材させていただいている中、せっかく実業団入りや就職が決まっていたのに、単位が取れていなくて流れてしまうという話も、残念ながらチラホラと耳にします。
高校までは学校に行って、授業を受けて、ということを当たり前にやっていたと思います。大学は自分で授業を選んで履修するので、サボろうと思えば、いくらでもサボれてしまいます。自分の行動に責任を持ち、自分を律する気持ちも必要になってきます。
早起きして朝練習と朝食を終えると、一息つきたくなるかもしれませんが、そこで自分の甘えや弱さに打ち勝つ! メンタル面でも競技にプラスになりますし、そもそも社会人になって「眠いから会社休みます」とはいかないです。
僕の場合、主務として毎日グラウンドか寮にいる生活は、とにかく激務でしたので、授業に行くのは息抜きでしたし、学校へ行くのは楽しみでした(笑)。そういう気持ちの持ち方一つでも、変わるのかなと思います。
特に1年目はしっかり単位を取ってほしいですね。駅伝もスタートの1区が大事です。1区で出遅れてしまうと、挽回(ばんかい)するのが大変です。単位も同じように、1年目でコケてしまうと、取り戻すのが大変です。
大学で活躍すれば様々なメディアから取材を受けたり、人前で話したりする機会も増えると思います。駅伝で区間賞を取れば、走り終えた直後にテレビの全国生中継でインタビューもされます。そこで自分の考えや感じたことを、きちんと相手に伝わるように話すというのは、日頃の勉強からもつながってくるでしょう。授業でリポートを書いたり、ゼミの発表をしたり、本や文献を読んだり、そういう日頃の取り組みは、取材やインタビューにもつながってきます。
大学は外国語も必修科目だと思います。必要となるのは日本代表を目指す選手や、国内の大会で好成績を収めて海外レースに派遣される選手だけでなく、日本国内でも留学生選手や外国人選手が走るので、そこで語学の勉強がつながってきます。
取材に伺っていると、資格取得のために必要な単位が多かったり、実技や実習などで大変だったりする中、両立する選手もよく見かけます。そういう選手こそ競技の結果が良いことも多く、寮長や主務も務めるなど、競技面以外でもチームに貢献している学生さんが多い印象です。社会人になってから輝くための礎を築く場所でもあると思います。
苦手な科目やなかなか興味を持てない授業があったとしても、苦手を克服したり、競技との共通点を何か見つけてみたり、どうやって自分の好きなことにつなげられるかを考えたり。いくらでも時間を有効活用できる術はあると思います。「授業だるい、めんどくさい」ではなく、何か自分事として、とらえてほしいと思っています。
と、後半は、だいぶ熱い話になってしまいました(笑)。ご容赦ください。陸上を愛する大学駅伝OBマネージャーの一言と思って読んでくださる方がいらっしゃれば、うれしいです。学生アスリートの皆様が、後悔なく本気で打ち込み、活躍される4years.になることを心より応援しています。現状打破!
