陸上・駅伝

東農大二高・石田洸介がクロカンU20日本選手権V 自信が強さを引き出した

石田はU20男子8kmで優勝をつかみ、大きくガッツポーズ(撮影・藤井みさ)

第103回日本選手権クロスカントリー

2月22日@福岡・国営海の中道海浜公園クロスカントリーコース
U20男子8km
1位 石田洸介(東農大二高2年) 23分48秒

北九州市立浅川中学校3年生のときに1500mと3000mで中学新記録を打ち立ててから、石田洸介(現・東農大二高2年)には「スーパー中学生」という異名がついて回った。しかし高校生になって臨んだ前回のクロスカントリー日本選手権U20男子8kmでは、トップから1分14秒遅れの38位。リベンジを狙った今大会、1周目から先頭に出るとそのままレースを引っ張り、2位と15秒差をつけて優勝。何度もガッツポーズをつくり、全身で喜びを爆発させた。

「スーパー中学生」で終わらない 東農大二高・石田

攻めの走りを貫き、一気に勝負

今大会は香港で予定しているアジアクロスカントリーの選考を兼ねており、上位5位の選手から代表選手を決定する(辞退があった場合、6位以下の選手も対象となる)。そのため石田も「3位以内、最低でも5位以内」を目標にしていた。

レースは2kmコースを4周する。「攻めの走り」を強みとしている石田は前回、序盤から積極的に攻めたが、3周目から一気にペースが乱れた。同大会には中学生時代から学校・クラブ対抗のクロカンリレーに出ており、コース自体はよく見知っていたものの、8kmという長さに苦しめられた。

それから1年、今大会でも攻めの走りを見せた。前回沈んだ3周目で勝負を決める。そう意識してレースに臨んだが、2周目の時点で後続ランナーの足音が遠のいたように感じ、「だったらちょっとずつ離していこう」とペースを上げる。それでも追ってくる気配がない。「予定より早いけど、このまま全力で逃げよう」と決めてからは冷静にレースを展開。そのまま単独で快走し、前回の25分2秒を大きく上回る23分48秒で勝ちきった。

1周目から石田(3383)は首位に立って集団を引っ張り、徐々に引き離した(撮影・松永早弥香)

自分の走りと自信がかみ合い、つかんだ勝利

振り返ると高1のときは環境の変化に戸惑い、なにより、陸上を楽しめなくなっていた。「中学と高校の自分は違うはずなのに、中学のときを引きずり過ぎてて、自分のスタイル、変わっていくスタイルに順応できてませんでした」と石田。練習はできているのに、レース直前になって緊張や不安で脚が動かなくなることもあったという。「気持ちを強くもたないと、とくに長いレースでは勝てない」。そう考えていた石田にとって、昨年11月に5000mで13分51秒91の自己ベストを出せたことは自信となった。

地元・福岡での大会ということもあり、レース中はたくさんの声援が石田の背中を押した。「その応援に応えたいと思って走りました。とくに去年、悪い結果でしたし」。ゴール後に何度もして見せたガッツポーズには、石田自身の喜びはもちろん、応援してくれた人々への感謝の気持ちも込められていた。「久しぶりにガッツポーズができました」という言葉からも、長く続いた苦悩のほどが伝わった。

快勝と言えるレースだったが、それでも石田は「後半思うように体が動かなかった」と課題を感じている(撮影・藤井みさ)

いまも2つの中学記録をもつ男は、高校でも新記録を狙っている。この1年を振り返って最も成長できたところをたずねると、「自信をもって走れるようになったことが大きく変わったところです」と答えた。今大会の快勝もまた大きな自信となり、石田の躍動を底支えしてくれることだろう。

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