陸上・駅伝

「スーパー中学生」で終わらない 東農大二高・石田

石田(中央)は見知ったコースに1年ぶりに挑んだが……(撮影・藤井みさ)

第102回日本陸上競技選手権クロスカントリー競走 U20男子8km

2月23日@福岡・海の中道海浜公園
38位 石田洸介(群馬・東京農大二高1年) 25分2秒

「スーパー中学生」が福岡に帰ってきた。北九州市立浅川中学校3年のときに1500mと3000mで中学新記録を打ち立て、群馬へ進学した石田洸介(東農大二高1年)。2月23日の福岡クロカンでU20男子8kmに出場したが、1周2kmの周回コースで3周目に先頭集団から脱落。トップから1分14秒遅れの38位でゴールした。「もう、まったく歯が立たなかったです」。レース直後の石田は、苦い表情で言った。

洗礼を浴びた

石田にとってこの大会といえば、昨年まで3年連続して中学男子の学校・クラブ対抗のクロカンリレーに出て、コースもよく知っていた。久々の福岡でのレース。「楽しみでもあったし、しっかり練習ができてたので、いい結果を残してやろうと思ってたんですけど……。段差とか、スタートダッシュとか、いろんなところで力を使って疲れてしまって。思わぬところで疲労が出て、3周目にいきなり来ました。ここで8km走るのは初めてだったんですけど、すごい洗礼を浴びました」。故郷に錦は飾れなかった。

石田(奥中央)は苦しい1年をすごしてきた(撮影・藤井みさ)

群馬へ行ってからの1年を振り返って言った。「非常に苦しい1年で、なかなか前半はいい結果を残せずに、後半はやっと復調し始めて、この大会にもいい流れできたんですけど、やっぱり難しい1年でした」。それでも昨年12月には5000mで14分9秒51の自己ベストが出た。今年1月の全国都道府県対抗男子駅伝では群馬の4区を走り、区間3位のタイムで1位をキープ。群馬の過去最高の2位に貢献した。「去年はトラックでいい結果を残せなかったので、今年は強い気持ちでトラックに臨みたいです」。石田がキリッとした顔になった。

少し早いが、大学に進むとしたらどんな競技生活をイメージするかと聞いた。「トラックとロードを両立していけるような学生になりたいです。まだどこに行きたいとか決めてないんですけど、まずはここからいい結果を出していかないと始まらないです」

「今年は強い気持ちでトラックに臨む」と石田(撮影・松永早弥香)

最後に聞いた。「スーパー中学生と呼ばれた時期がありましたけど、そこで終わるつもりはないですよね」と。石田は私の方をしっかり見て、言った。「はい。高校でも勝とうと思ってます」

ふるさと福岡を離れ、石田洸介の挑戦は続く。

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