調整不足も言い訳なし 東海大・小松が「世界」ゲット
東海大の小松陽平(3年、東海大四)は今年の箱根駅伝8区で22年ぶりの区間新記録をたたき出し、一躍脚光を浴びた。あのころ彼は「みなさんからの期待が高まったので、それがプレッシャーになってしまうかもっていう心配もあります」と話していた。そんな中、このレースで5位に入り、3月30日にデンマークで開催される世界クロスカントリー選手権の切符を勝ち取った。レース後の小松は「今日はみなさんからの期待に応えられる走りができたんじゃないかな」と、笑みを見せた。
学生3位でゴール
ハイペースな展開となったレースで、小松は順天堂大の塩尻和也(4年、伊勢崎清明)や法政大の坂東悠汰(4年、津名)、東海大で同期の鬼塚翔太(大牟田)、早大の中谷雄飛(なかや、1年、佐久長聖)らとともに先頭集団を形成した。初クロカンの坂東が果敢に仕掛けたことでレースが動き、小松は坂東と中谷についで、学生では3位でフィニッシュした。
小松はこのクロカンに向けた練習が十分に積めず、ギリギリのスケジュールで調整を進めてきたという。それでも「どんな状態でも本番に合わせられるのが大事」と考え、自分に言い訳を許さなかった。それに、広島での悔しさを振り払いたいレースでもあった。今年1月の都道府県駅伝では区間22位とパッとしなかった。46位と沈んでいた北海道チームの順位を二つしか上げられなかった。「北海道のための力になりきれませんでした」と言っていた彼は、広島での悔しさを福岡のクロカンコースにぶつけた。
目標としていた世界クロカンの出場権を獲得した瞬間から、そこに照準を合わせる日々が始まった。その大会が終われば、小松の学生としてのラストイヤーが始まる。「最後の一年を悔いのないようにしたいです」と小松。今年の箱根以前とは比べものにならないほど多くの人たちの期待を受け、小松はさらなる高みを目指す。