陸上・駅伝

東海大・鬼塚、大迫から学んだ「真のストイック」

鬼塚は高校時代をすごした福岡で粘りの走りを披露した

第102回日本陸上競技選手権クロスカントリー競走 シニア男子10km

2月23日@福岡・海の中道海浜公園
6位 鬼塚翔太(東海大3年、大牟田) 29分55秒

2月23日にあったクロスカントリーの日本選手権で、大牟田高校出身の鬼塚翔太(東海大3年)は福岡の陸上ファンからひときわ大きな声援を受け、6位に入った。

最後の1年は、やりたいことをやる

レースはまず塩尻和也(順天堂大4年)が飛び出し、優勝した坂東悠汰(法政大4年)が食らいつく。鬼塚は3位集団を引っ張った。ラストも粘り、5位に入った東海大同期の小松陽平(東海大四)から3秒遅れでゴールした。

「最初からハイペースの展開でした。でも練習量はしっかりこなせてたと思うので、それが後半の粘りにつながりました」。そう語った鬼塚は1月末から約3週間、男子マラソン日本記録保持者の大迫傑(すぐる、ナイキオレゴンプロジェクト)らとアメリカのアリゾナ州での高地合宿に取り組んだ。合宿で得た自信を胸に、いい感覚で走れたと実感したそうだ。

3位集団を引っ張った鬼塚(撮影・藤井みさ)

このクロカンで6位に入ったことで、鬼塚は3月30日にデンマークで開催される「世界クロスカントリー選手権」の出場権を手にしたが、出場は辞退する方向。3月4日からまたアリゾナで高地トレーニングを重ね、3月30日は「スタンフォード招待陸上」で5000mに出場するつもりだ。そこで日本選手権の標準記録を切りたい。今年の鬼塚は5000mでユニバーシアード、さらには世界陸上を目指している。

表彰式では「鬼ちゃん」というお客さんの声に笑顔

大学1年から活躍してきた鬼塚も、早いもので今年が学生ラストイヤーとなる。いまは駅伝よりもトラックを中心にと考えている。「去年全然ダメだった分、最後の1年は自分がやりたいことをやって、いい結果で締めくくりたいです」と鬼塚は言う。

大迫との合宿では練習はもちろん、生活においても多くの刺激を受けた。「ストイックさが、自分の中でかなり印象に残ったところです。自分はまだまだ甘いな、というのが分かりました」。大迫効果で甘さを断ち切り、鬼塚躍進のラストイヤーとなるか。

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