陸上・駅伝

名城大・和田有菜 リラックスして先頭へ、新たなシーズンへたしかな手応え

積極的に先頭で引っ張る和田(すべて撮影・藤井みさ)

第103回日本選手権クロスカントリー

2月22日@福岡・国営海の中道海浜公園クロスカントリーコース
シニア女子8km
1位 石澤ゆかり(エディオン) 26分57秒
2位 和田有菜(名城大) 26分58秒
3位 萩谷楓(エディオン) 26分59秒

2月22日に福岡・海の中道海浜公園であったクロスカントリー日本選手権。女子8kmの部で名城大の和田有菜(ゆな、2年、長野東)が2位に入った。1位から3位まで、それぞれ1秒差のデッドヒートだった。

走り始めたら動きがはまった

2kmのコースを4周するレース。和田はスタート直後、高低差6mの「ビッグパワーヒル」を先頭でのぼり、その後も先頭集団でレースをすすめた。2周目に入り先頭集団は早くも15人程度に絞られる。3周目で集団のトップに立つと、そのまま先頭を走り続ける。ラスト1周、残り1kmを切ったところで和田、石澤、萩谷の3人の勝負に。和田は一時先頭に出るも、最後の直線で石澤が抜け出し、トップでゴール。1秒差で和田がゴールに飛び込んだ。

前日まで名城大は沖縄で11日間の合宿をしていた。和田やチームメイトの高松智美ムセンビ(2年、大阪薫英)や加世田梨花(3年、成田)らは沖縄から直接福岡入りして、ほとんど調整もない状態でのレースとなった。

ラストの直線で競り負け、1秒差の2位でゴールした

1週間半ほど前は原因不明の不調でまったく走れず、ジョグもキツい状態だったという和田。「正直ここまで走れたのは驚いている」と口にした。この大会に対して、過去も自分で追い込んでしまうことがありあまりいいイメージはなく、前にいく気はなかったと言うが、「走り始めてみたらすごいハマった」。動きがハマったレース運びができて、本当は前にいく気がなかったが、すっと前にいけるな、と思って出たという。「挑戦するって思いで。それがラストにもつながって、久しぶりにいい感覚で走れたので、シーズンへの励みになりました」

最後、1秒差で2位となったことについて聞くと「まだまだスピード練習はしてないので、それが石澤さんの方が一枚上手だったのかなというのもあるので、ラストスパートは今後シーズンに向けて磨きをかけていきたい」と前向きな表情で語った。

日本選手権で上位争いを

和田は2018年の全日本大学女子駅伝1区区間賞、富士山女子駅伝2区区間2位。2019年は全日本大学女子駅伝区間3位、富士山女子駅伝はアンカーとして優勝のゴールテープを切った。2年生にして、名城大黄金期を引っ張るエースでもある。

今年も和田を筆頭に、名城大勢の活躍が見られそうだ

次なるシーズンへの目標を問われると「昨年は出られなかった日本選手権、5000mでしっかり上位争いをすること」と答えた。「リラックスして先頭を引っ張るという成果が得られたので、それをシーズンにつなげていきたいです」

無欲で挑み、強さを見せた今回のレース。今後の活躍にもさらに期待がかかる。

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