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特集:いざ、東京オリンピック・パラリンピック

大迫傑が涙の日本新記録、日本勢トップで東京五輪代表に大きく近づく 東京マラソン

日本勢トップで日本新記録をマークし、大迫の感情が爆発した(撮影・佐伯航平)

東京マラソン2020 男子

3月1日@都庁前スタート、東京駅前をフィニッシュとする42.195km
 1位 ビルハヌ・レゲセ(エチオピア)2時間4分15秒
 4位 大迫傑(ナイキ)2時間5分29秒(日本新記録)
 8位 高久龍(ヤクルト)2時間6分45秒
 9位 上門大祐(大塚製薬)2時間6分54秒
10位 定方俊樹(MHPS) 2時間7分5秒
16位 設楽悠太(Honda)2時間7分45秒 
26位 井上大仁(MHPS)2時間9分34秒
28位 土方英和(國學院大學)2時間9分50秒

東京オリンピックの代表選考会を兼ねた東京マラソンが3月1日にあり、日本勢トップの4位に入った大迫傑(すぐる、ナイキ)が2時間5分29秒と自身の日本記録(2時間5分50秒)を更新した。大迫はオリンピック代表の3枠目に大きく近づいた。残りの代表選考会は8日のびわ湖毎日マラソンだけ。この大会で大迫のタイムを上回る選手がいなければ、大迫が代表に内定する。設楽悠太(Honda)は2時間7分45秒で16位、井上大仁(MHPS)は2時間9分34秒で26位だった。大学生では、初マラソンの土方英和(國學院大4年)が日本学生歴代3位に並ぶ2時間9分50秒で28位に入ったのが最高だった。 

いったん遅れ、32kmで井上をとらえた

1km2分55~56秒でターゲットのゴールタイムが2時間3分4~46秒の第1集団には、井上と大迫がついた。22km付近で3人のペースメーカーが1人になると、ペースが上がった。ここで大迫が遅れた。井上は5位集団でレースを進める。30kmを過ぎて、大迫がじりじりと浮上してきた。32km付近で井上を含む6人の集団に追いついた大迫は、一気に井上の左から抜いていった。これで日本勢トップに立った大迫。苦しい表情になった井上が遅れていった。大迫は右の脇腹を何度も抑えながら、大きくペースダウンはせず、叫びながら大きなガッツポーズでゴールテープを切った。大迫に続いて、日本勢の2時間6分台が2人、7分台が7人、8分台が5人。国内のマラソンとしては歴史的な高速レースになった。

いったん順位を落としながら、32km過ぎで井上を抜いた(撮影・北川直樹)

 「苦しい戦いでした」と涙

大迫傑の話
「9月に3番になってから、非常に苦しい戦いだったんですけど(大迫の目に涙がこみ上げる)、しっかり走れてよかったです。次につながったと思います。勝ちたいという気持ちだけでやってきました。(1度遅れてから浮上したことについて)自分のキャパシティ以上で走ると、つぶれてしまう。自分の体と対話しながら走れました。自分自身を超える大きなチャレンジになったと思います。あとは待つだけです

 瀬古リーダー「日本新記録は井上君のおかげ」 

瀬古利彦・日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの話
「期待されてその通り走った大迫君は、改めてすごい選手だなと思いました。ちゃんと神様は見てるんだな、と。彼がMGCで3番になって悔しい思いをして、半年間努力したのが今日の結果につながったと思ってます。第一人者が戻ってきてくれて、非常にリーダーとしてうれしいです。そして最後までチャレンジしてくれた井上選手。ほんとに頑張ったと思います。結果的には9分台でしたが、きっとこの経験は生きるんじゃないかと思います。大迫選手の今日の日本記録は、大迫君の努力もありますが、やはり30km過ぎまで井上君が前にいたことが、大迫君の最後の粘りにつながったんじゃないかと思います。もし井上君がいなかったら、日本記録はなかなか出てなかったんじゃないかと。途中で『もう、いいわ』ということで終わってたんじゃないかと思います」

日本新記録での日本勢トップを狙い、勝負に出た井上(撮影・北川直樹)

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