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連載:私の4years.

未経験から猛練習で全国の頂点に 元立命館大学応援団副団長・大西真菜美・1

私の4years.
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高3のとき、JAPAN CUP優勝後に記念撮影。前列中央が筆者(写真はすべて本人提供)

連載「私の4years.」の12シリーズ目は、立命館大学で応援団副団長をつとめた大西真菜美さん(24)です。チアリーディング日本代表に選出され、現在はチアの最高峰・アメリカNFLのオーディションに挑んでいる大西さん。5回連載の1回目は、チアと出会い、日本一をつかみとるまでです。

新しいことに挑戦したくて、チアリーディングの世界へ

私は兵庫県で生まれ、幼いころから好奇心旺盛で活発な子でした。習い事は水泳・テニス・アクロバット・クラシックバレエを11歳までの8年間、ジャズ・ヒップホップを14歳までの4年間していました。もっとたくさんの習い事をしてみたくて「1週間がもっと長かったら良いのに」と毎日思っていました。

中学校はバスケットボール部でしたが、箕面自由学園高校に進学し「ダンスを踊りたい、新しいことに挑戦してみたい」と思い、チアリーディング部に所属しました。実は箕面自由学園は私が入学を決めた時点で全国大会で9連覇している全国屈指の強豪校でしたが、入部したときの私は、どんな厳しさがあるのかイメージできていませんでした。

もっと踊りたいと始めたチアリーディングでしたが、習い事とはまったく違う世界でした

新入部員の約6割が、チアリーディング未経験からのスタート。毎日、全国大会(JAPAN CUP)での優勝を目標に練習に励みました。しかし、9連覇している強豪校では、「優勝を手に入れる」ことよりも、「王者の座を守り抜く」ことの難しさをとても実感しました。王者の座を守り抜かないといけないというプレッシャーに加え、他のチームとは違う新しいこと(スタンツというピラミッド技や、ダンス、タンブリングなどのアクロバットや演技全体の面白さ等)に挑戦をしていかなければいけないと、試行錯誤の日々でもありました。

チアリーディングは16人1チームで大会に出場します。演技時間は2分30秒。採点基準は、元気さ・笑顔・技の正確性・完成度・難易度・連続性・スピード感・同調性など。チームワークが非常に重要になります。当時の箕面自由学園は、Aチーム・Bチーム・Cチーム・Dチームまでありました。

「ピンチの代」と言われていた同級生たちと。気持ちはいつも前向きでした

初めての大会はCチームで出場。何事にも妥協はしたくなく、するなら何事にも全力で取り組みたい性格のため、筋トレを人一倍したり、人一倍声を出したりなど、地道なことにコツコツ毎日取り組みました。また、最初はかなり細身だった身体を大きくするべく、炭水化物を多く摂取するなどの食事トレーニングも。その努力が実り、高校2年生の時にAチームに入ることができ、優勝をつかみ取りました。

「ピンチの代」と呼ばれ、毎日ひたすら練習

そして高3になり、私はキャプテンに任命されました。Aチームの大半を占めていた偉大な1つ上の先輩方が抜け、未経験者の多い私たちの代は「ピンチの代」と言われていました。そして、今までの先輩達がずっと1位で通過していた地区大会で2位となり、「JAPAN CUP連覇」の目標を達成するのにかなり厳しい状況に追い込まれました。

「歴代の先輩方が築き上げてきた伝統を後輩につなげたい、私たちの代で崩すわけにはいかない」。そう思いながら日々自分自身に鞭(むち)を打ち、毎日朝から晩まで練習の日々。長い時には12時間以上も練習していたこともあります。

切磋琢磨した同学年の仲間たちは、私の宝物であり誇りです

演技(技)をうまくできず、チームの雰囲気が悪くなってしまい、全体の統一感が薄くなってしまいそうな時もありました。コミュニケーション不足、お互いへの思いやりが欠けてしまっていたこと、自分達の自信のなさが原因だった思います。どうにか打開したいと、毎日ミーティングを重ね、お互いに思いをぶつけ合い密なコミュニケーションを図りました。

「強い信念」を胸に高校日本一

そして迎えた全国大会(JAPAN CUP)当日。準決勝でミスがあり、2位通過。準決勝後の練習では疲労骨折者が出るなどのアクシデントがあり、かなり絶体絶命の状況に追い込まれていました。決勝は翌日。下を向いている暇はなく、自分を信じ、仲間を信じ、最後の最後までできる限りのことをしました。そして、箕面自由学園の監督であり、恩師の野田(旧姓:一木)一江先生に言って頂いた「強い信念をもて」。この言葉を胸に決勝に挑みました。

迎えた決勝。青マットに立った瞬間色んな人達の声援が聞こえ、大きな力を感じました。とても緊張はしましたが、「やってきたことを冷静に全力で出そう」と思いながら、演技が始まりました。演技自体は練習通りメンバー全員が落ちついて、実力を出し切ることができました。

全チームが演技を終えた後の順位発表。仲間と手を繋(つな)ぎ、涙を流しながら祈りました。

「優勝、箕面自由学園高等学校」

歓喜の瞬間。今でもはっきりと覚えています

アナウンスを聞いた瞬間、メンバー全員その場に崩れ落ち喜びを分かち合いました。今でもその時の感覚は忘れられません。

喜びを分かち合えた瞬間は一生忘れない

王者を守り抜くことは演技している16人の力だけではできず、多くの方々の支えがあったからからこそだと思います。「ピンチの代」と言われていましたが、最後まで私たちを信じて指導して下さったコーチの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。また、チアリーディングに熱中する環境を作ってくれた一番の強い味方である両親にも、とても感謝しています。

「笑顔の真剣勝負」といわれているチアリーディング。自分たちの代で優勝できて、仲間と喜びを分かち合うことの素晴らしさを感じられたことは、私の中での大きなターニングポイントです。共に戦った仲間とは年齢関係なく、今でも最高な仲間です。そして、箕面自由学園高等学校ゴールデンベアーズは私の誇りです。

私の4years.