杜の都を目指す帝京科学大学女子駅伝チーム、オンラインミーティングを取材!
「M高史の駅伝まるかじり」今回は帝京科学大学女子駅伝チームのオンラインミーティングを取材しました。2018年4月にスタートを切った、創部3年目の若いチームです。2019 年に関東大学女子駅伝に初出場し、11位。8位までが全日本の切符をつかめる中で、初出場ながら杜の都出場まであと3つに迫りました。
指導陣も多彩な顔ぶれ
指導にあたる髙田由基(よしき)駅伝監督は、学生時代に東京学芸大学で競技を続けながら主務も経験。北海道と愛知で9年間の小学校教員生活をする間も走り続け、100kmウルトラマラソンで世界選手権日本代表経験6度という異⾊の経歴です。
陸上競技部顧問は有吉正博特任教授。関東学生陸上競技連盟の会長であり、箱根駅伝のスターターとしておなじみですね! 駅伝チームアドバイザーはソウル五輪女子マラソン日本代表・浅井えり子さん。駅伝チームコーチは短距離・ハードルを専門とする西野愛梨コーチ。駅伝チームのコーチとしては珍しいですが、動き作り、補強など長距離選手が苦手としたり弱点だったりする所もきめ細かく指導されています。さらに選手とも年齢が近いこともあり、⼥性アスリートの先輩として、選手にとっては良きお姉さん的存在のようです。
M高史もオンラインミーティングに参加
新型コロナウイルスの影響により試合、記録会が中止・延期。大学も休校・入構禁止(現在は非対面授業)で、もちろん集まって練習することもできません。そんな中、帝京科学大学女子駅伝チームでは定期的にオンラインミーティングをしているとうかがい、取材させていただきました。
週2〜3回はオンライン補強やミーティングを行なっているとのこと。「1人がメニューを立て、チームメイトに発信し、時間も決めて行っています」と説明してくれたのはキャプテンの御廐敷(おんまやしき)莉乃選手(3 年、日体大荏原)。
髙田監督からは「日常の小さな幸せに気づけるようにしよう」というお話もあり「最近あったラッキーだったこと」について1人ずつ発表がありました。三密を回避しながら1人でトレーニングしている時に発見した気づき、⾝の回りの出来事、家族との時間が増えたといった声が挙がりました。中には「実家で飼っているワンちゃんがなついてくれるようになった」、「(寝ている時)夢の内容が良かった」などユニークな回答もありました(笑)。全体として、皆さんポジティブ思考で前を向いて今できることにしっかり向き合っていました。
髙⽥監督からの「今はキツい状況でも気持ちをしっかり持ち、気分は落とさないようにしていこう!みんなでも一人でもできるのが陸上のいいところ。ポジティブにプラスにとらえていこう!」という⾔葉に選手の皆さんの姿勢や意欲も前を向いているように感じました!
将来を見すえて運動を楽しむ
そして、お時間をいただいたので、皆さんとともに僕のオリジナル動的ストレッチ「ジャパササイズ」にとりくみました!
元々、運動が苦手な方に気持ちよく楽しく運動していただければと思って作った体操、動的ストレッチでした。これをランニング用にアレンジして、マラソン大会の準備体操や学校の体育の授業でも取り⼊れていただいています。 学生アスリートの皆さんにとって「どういう反応かな?」とちょっと心配していたのですが、皆さん優しく受け⼊れていただきました(笑)。
選手・マネージャーの皆さんのほとんどは幼児保育、教育、福祉、柔道整復といった学科で学ばれています。専⾨知識だけでなく、コミュニケーション能力が重要となる分野です。また、モチベーションが上がらない子どもたち、利用者さん、患者さんへ指導やサポートをしたいと勉強されていることもあってか、本当に真剣に聞いてくださったり、⼀緒に体も動かしたりしていただき、感謝です!
この情勢だからできること
ミーティングのあとキャプテンの御廐敷莉乃選手にお話を聞きました。「みんなで走るのも大事ですが、駅伝も結局は1人で走ります。1人で頑張れる力というのも大切です」と駅伝を見すえて前を向いていました。さらに、コンディション管理のためのアプリを利用して、体調や練習状況をスマートフォンから各自が入力することで、自己管理、情報共有に役立てているそうです。「離れていてもアドバイスをもらえますし、記録や数値を⾃分でもチェックできます」と意欲的です。
今後の目標については「みんなが揃った時にそれぞれ⾃信を持って練習できるようにしたいです。関東から全日本、富⼠⼭を目指しています!」とキャプテンらしく力強く話してくれました。
支えてくれる人に全力で恩返しを
選手たちのお姉さん的存在である西野コーチは「選手が立てた目標を達成できるようにサポートしたいです。目標と実際の実力との差を今後埋めていきたいですね」とチームの現状を冷静に把握し、これから取り組んでいくべき課題を分析されていました。
そして髙⽥監督は「まずは(収束して)みんなが顔を揃えて練習できることですね。そして、大会や駅伝が無事に開催されることを願っています。これまで開催されていたことが当たり前のことではないことが今回のことでよくわかりましたので、走れること、大会に出られることに全員が感謝の気持ちをもって取り組んでいきます。応援してくださる方に結果で恩返ししていきたいです!」と改めて感謝の⾔葉を⼝にされました。
創部3年目で「チームらしくなってきた」という帝京科学大学女子駅伝チーム。部員は1年生から3年生までというフレッシュなチームですが、初めて4学年が揃う来年に向けても注目していきたいチームですね! 帝京科学大学のみなさん、ありがとうございました!