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特集:関東大学アメフト新主将インタビュー2020

東大・唐松星悦「大事なのは『どこまでやるか』」 関東TOP8新主将インタビュー3

唐松は現役東大生として初のアメフト日本代表となり、3月に国際試合を経験した(すべて撮影・北川直樹)

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、関東大学アメリカンフットボールリーグは春のオープン戦をすべて中止しました。4years.では1部TOP8に所属する8チームの新キャプテン宛てにメールで6項目の質問を送付し、回答してもらいました。第3弾は東京大学のOL(オフェンスライン)唐松星悦(からまつ・しんえ)主将(4年、浅野)です。

質問1 理想のキャプテン像を教えて下さい。具体的な人がいるなら、その方の名前を挙げて、どんなところがすばらしいと思うのかについてもお願いします。

キャプテンが影響力から逃げることがあってはならないと考えています。影響力は、取り組む背中やハドルで語る言葉など様々な形で表れてきますが、その一つひとつがチーム全員を「主体的に」前進させる方向でなければならないと思っています。様々な方が様々な形で影響力を発揮していて、それぞれ魅力的ですが、2017年度主将の遠藤(翔)さんからはフットボールに真摯(しんし)に取り組む姿勢を学び、日本代表では幹部の(佐藤)将貴さんからフットボールのためなら他人に遠慮しないことを学びました。

昨秋のリーグ戦で、リードブロッカーとして走路を切り開く

質問2 2020年度のチームスローガン(テーマ)と、そこに込めた思いを教えて下さい。もしスローガンがない場合は、自分がキャプテンとなったチームをどんな集団にしていきたいか答えてください。

スローガンには「pursuit・family・breakthrough」を掲げています。pursuitは、フットボールの上達においては究極のところ、「何をやるか」より「どこまでやるか」が重要であるという意味です。familyは、チームスポーツで勝利するためには個人の力を磨くこと同様に、チーム全体の水準を上げるのが大切であることを意味しています。breakthroughは、それまで相手の壁に当たり砕け散ることしかできなかった我々が、自分の壁を越え、勝つべくして勝つチームになる必要があることを示しています。

質問3 自分自身の過去3年を振り返って、どんな自己評価をしていますか?

1年目はとにかくトレーニングにフォーカスした結果、受験で痩せきった姿から1年でリーグで通用するフィジカルを身につけられたのはよかったです。2年目でトモダチボウルやU-19日本代表に挑戦し、経験したことで、フットボールに対する恐れがなくなりました。3年目からはどうやったらチームがよりよくなるかを考えるようになりましたが、責任と行動が伴わず、しょせん批評家どまりでした。総じて恵まれた3年間でした。

質問4 チームにとって、4年生とはどんな存在であるべきだと考えていますか?

単なるマネジメント側としての存在ではなく、チームに対して主体性を呼び起こすような影響力を持つ「リーダー」でなければならないと考えています。その手段として様々な個性があっていいと思っています。

「アメフトという競技はもっと輝ける」。唐松はそう信じている

質問5 この秋、あなたがとくに期待する(期待できると思う)3年生以下の選手を一人挙げて、理由も教えて下さい。

部員全員がそれぞれのやり方で努力している過程にあるので、とくに期待する選手はいません。OLの後輩たちとは、チームの大黒柱としてのプライドを持って、ともに成長していきたいと考えています。

質問6 最後に、秋のシーズンを心待ちにしているアメフトファンのみなさんへの言葉をお願いします。

僕はアメリカンフットボールというスポーツに、もっと輝ける可能性があると考えています。逆境だからこそ、スポーツの真の価値が問われているとも言えます。この期間に起こるすべてのことが、自分たち及びアメリカンフットボールの将来を大きく左右すると信じています。いつかくる日々のために、今日も一日頑張りましょう。

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