広島の森下暢仁投手、ロッテの佐藤都志也捕手ら13人 大卒新人のプロ野球開幕一軍
プロ野球の2020年シーズンが6月19日夜、無観客で一斉に開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で約3カ月遅れてのスタート。新人たちも難しい調整となったが、前日、開幕出場選手登録が公示され、この春大学を出た計13人のルーキーが開幕一軍切符をつかんだ。
DeNAは明大で森下の同僚、伊勢大夢と青森大・蝦名達夫
最も注目されるのは、昨年の全日本大学選手権で明治大学を38年ぶりに優勝へ導いた広島東洋カープの森下暢仁(まさと)投手だろう。ドラフト(D)1位で入り、先発ローテーションをきっちり守ることが期待される。横浜DeNAベイスターズとの開幕カードでの登板の可能性も。そのDeNAでは明大投手陣を森下と支えたD3位の伊勢大夢(ひろむ)投手が開幕メンバーに入った。「地元からプロを目指す」と青森大学で打撃を磨いたD6位の蝦名(えびな)達夫外野手も名を連ねた。新人「イセエビ」コンビとして定着できるか。
慶應トリオも仲良く
昨秋の明治神宮大会を19年ぶりに制した慶應義塾大学は3選手がドラフト指名されたが、そろって開幕一軍スタートになった。中日ドラゴンズにD4位で入った郡司裕也捕手は、3月の練習試合では東京六大学時代のライバル、広島・森下と直接対戦した。福岡ソフトバンクホークスD5位の柳町達(たつる)外野手と東北楽天ゴールデンイーグルスD3位の津留﨑大成投手はともに慶應義塾高校(神奈川)出身。同じリーグで、結果を残せれば直接対決が実現するかもしれない。
昨年の全日本と明治神宮の両大会に出場した大阪商業大学の左右エースもそろって開幕メンバー入り。中日ドラゴンズD2位の橋本侑樹投手は抑え役で活躍した左腕・岩瀬仁紀さんの背番号「13」を受け継いだ。東京ヤクルトスワローズD4位の大西広樹は手薄な投手陣の中で信頼を高めたい。D6位で阪神タイガースに入った小川一平投手は、東海大学九州の1年時に熊本地震で被災するなど学生時代は苦労も多かったが、まずは中継ぎとして期待がかかる。
ロッテの佐藤都志也と福田光輝は実力アピール
千葉ロッテマリーンズはD2位の佐藤都志也捕手(東洋大学)とD5位の福田光輝内野手(法政大学)が入団後も強打をアピールし、ともに開幕切符をつかんだ。ソフトバンクD3位の津森宥紀投手は東北福祉大学3年時に全日本大学選手権優勝の立役者となった右腕。東海大菅生高校(東京)から国際武道大学に進み、両世代で日本代表の中軸を担った勝俣翔貴内野手もD5位で入ったオリックスバファローズの開幕メンバーに登録された。今季は特例ルールで、出場選手登録人数が29人から31人、ベンチ入り人数は25人から26人に拡大された。新人で開幕一軍に登録されたのは、読売ジャイアンツを除く11球団で計18人。うち、社会人野球出身が5人で高卒新人はいなかった。
開幕出場選手登録はされなかったが、関西の学生球界を沸かせたオリックスD3位の村西良太投手(近畿大学)とDeNAのD2位左腕・坂本裕哉投手(立命館大学)も評価は高く、デビューは近いだろう。